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CHaT Net

2018.09.12

CHaT Net(Children, Homes and Teachers Network)は、児童・生徒と家庭 (保護者)と教師(学校)が協力して創りあげている玉川学園の教育コンピュータ・ネットワークで、1998(平成10)年に運用を開始。今年2018(平成30)年に20周年を迎えた。ネット上での日常的なやりとりを通して、玉川学園が目指す「三位一体の教育」を実現。CHaT Netの有効活用は、学校と家庭の情報共有を深め、教育活動に役立っている。

1.CHaT Netの導入

玉川学園K-12(幼稚部・1年生《小学1年生》~12年生《高校3年生》)では、教育におけるICT活用の先進的な試みとして、児童・生徒、家庭、教師をインターネットで結ぶネットワークコミュニティ「CHaT Net」を1998(平成10)年に導入。CHaT Netは単なる教育現場へのICT導入ではなく、「三位一体の教育」「24時間の教育」「能率高き教育」「国際教育」といった創立以来の教育理念に立脚し、それを具現化するという明確なコンセプトによって運営されているシステムである。

2.CHaT Netの活用

学校から家庭への諸連絡、学校生活の様子、各教科の学習状況等を掲載。また、児童・生徒たちは時と場所を選ばずに、教員への質問や相談、課題やレポートの提出をメールで行うことができるなど、日常の学習において活用している。特に保護者がネットワークにつながっていることが特長で、学校行事はもとより日常の学校生活や教育活動からできるだけ多くの写真付き情報を公開することにより、保護者の学校教育に対する理解を一層深めることが効果的に推進されている。保護者にとっては、どこにいても教育活動の把握が可能となっている。また、玉川学園専用のネットワークなので、緊急災害発生時にも、瞬時に保護者と学校との連絡が可能で、頼れる通信手段として活用されている。2011年の東日本大震災の時も運用停止することなく状況を逐次知らせすることにより家庭との連絡手段として大いに活躍した。

一方、教職員の立場では、CHaT Netを利用してコミュニケーションや情報共有を推進していった結果、資料や教育活動の記録が毎年自然と蓄積されていくシステムにもなっている。現在では20年弱の教育活動の記録がCHaT Netに保存されている状況である。

2005(平成17)年ごろから、CHaT Netは、児童・生徒、保護者、教職員のコミュニケーションツールとしてだけではなく、データベースシステムと連携したシステムとして発展し続けている。現在では、教職員のCHaT Netはメールや掲示板などの単なるコミュニケーションツールとしてだけでなく、校務支援システムが一体化された統合システムとなっている。玉川学園では、幼稚園年少から高校3年までの15年間を通して一体化した校務支援システムを構築・運営する必要があり、国際バカロレア教育や小学校1年生からのBLES教育など特徴的な教育活動にもすべて対応しなくてはいけない条件がある。このような統合校務支援システムは、国内外でも珍しいシステムとなっている。教員は、日常の出欠管理や成績処理などほとんどすべての業務がCHaT Net 1つで行われているほか、国際交流やクラブ活動、検定、図書館システムや健康管理など他の専門部署が管理するデータもすべて統合され、1人の園児・児童・生徒の情報が、入試から卒業までのすべての範囲において扱われ、CHaT Netが玉川学園K-12の教育活動を全面的にサポートし教職員の業務の効率化にも大きく貢献している。

3.社会からも注目されたCHaT Net

CHaT Netを導入した翌年の1999(平成11)年に、日本経済新聞社主催の「第4回日経インターネットアワード」の自治体・教育機関部門で、CHaT Netが「日本インターネット協会賞」を受賞。インターネットの優れた活用例の表彰として、177件の応募の中から、ビジネス部門で5件、自治体・教育企画部門で5件の合計10件が選出された。CHaT Netは、玉川学園の教育理念である全人教育に基づいて、子と親と教師が一体となって、ネットワークを通じて教育に取り組んでいることが高い評価を得た。
(http://www.nikkei.co.jp/award/99award/frmshinsa.html)

2000(平成12)年度には、文部科学省インターネット活用実践コンクール実行委員会主催の「第1回インターネット活用実践コンクール」で、CHaT Netが最高賞である「内閣総理大臣賞」を受賞。学校教育・社会教育において、情報の受信・発信・交流といった特性を生かしつつ、インターネットを優れて有効・総合的に活用し、教育の質の向上に資する斬新で汎用性のある実践事例を広く募集するとして公募され、91件の応募の中から最も優れた実践として玉川学園のCHaT Netが選出された。審査は第一次が書面審査、第二次がビデオ審査。CHaT Netは、子と親と教師が一体となり学校全体で実践している取組であり、他に類を見ない斬新で汎用性のある実践事例として、審査員満票の評価を得た。
(http://www.javea.or.jp/archive/netcon/old/1_result.html)

2002(平成14)年度には、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)主催の「コンピュータ・ユーザーズシステム・アワード2002」で、CHaT Netが「最優秀賞」を受賞。このコンクールは、企業、団体等の情報化推進と産業界の活性化を図ることを目的に、コンピュータを企業経営や事業等に効果的に活用している企業、自治体、各種団体等のシステムを表彰するもの。CHaT Netは、児童・生徒との情報交換にインターネットを活用しているだけではなく、保護者等へサービスの提供を拡大している点、国際交流や遠隔教育に活用している点で高い評価を得た。
(http://it.jeita.or.jp/infosys/report/award2002/index.html)

参考文献

  • 小原芳明監修『全人教育』第599号 玉川大学出版部 1998年
  • 小原芳明監修『全人教育』第617号 玉川大学出版部 1999年
  • 小原芳明監修『ZENJIN』第634号 玉川大学出版部 2001年
  • 小原芳明監修『全人』第657号 玉川大学出版部 2003年
  • 小原芳明監修『全人』第658号 玉川大学出版部 2003年
  • 『玉川学園の教育活動 玉川大学の教育活動 玉川大学大学院の研究活動』 玉川学園 2008年

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