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学外施設③ 箱根自然観察林/須雲塾

2017.04.17

労作教育、自然教育の実践の場として、大学生のみならず、園児、児童、生徒たちも利用した箱根自然観察林および須雲塾。須雲塾は土砂災害により、現在は農学部の調査や研究に限定して使用されている。

1.箱根自然観察林(箱根実習林)

玉川学園が箱根実習林を取得したのは、1962(昭和37)年10月17日。面積は772,873平方メートル。神奈川県の西部箱根町の南東側古期外輪山内壁に位置し、標高は下部が須雲川流域の410mで、最後部が弁天山山頂の990m。住所は神奈川県足柄下郡箱根町畑宿。この500mの高低差を生かした実習林の植生については、『玉川学園五十年史』に次のように記述されている。

植生は暖帯から温帯にまたがっていて、それを水平に直してみれば、南は九州から北は岩手までのほとんど本州全体を含んだ地域となるので、植物の種類の多いことは随一である。海抜高400~500メートルの暖帯のところではアカガシ、ウラジロガシ、ヤブニッケイ、シロダモ、などの常緑広葉樹が優占して、上部の移行帯下部(500~650メートル)ではモミが勇壮な姿を現し、移行帯上部(700メートル内外)ではオオモミジ、ヤマボウシなどの紅葉の美しい樹種の群落が多く、それを過ぎれば温帯林独特のブナ林に変わりヒメシャラ、フジザクラ、シオジ、リョウブ、エゴノキなどを混じて、白銀山付近ではシナノキ、トネリコもみられる。

2.畑宿から須雲塾へ

箱根旧街道を上って行き、箱根寄木細工の発祥の地である畑宿のバス停付近にある茶屋のところから石畳の街道に入り、すぐに左に折れて須雲川沿いに進むと、数分で箱根新道の橋下に出る。車が入れるのはそこまでである。そして数段の階段を上ると、畑宿清流マス釣り場が見える。マス釣り場は須雲川を利用して作られており、大自然そのままの清流釣りを楽しむことができる。また、バーベキューを行う設備も整っている。このマス釣り場を横切って、さらに上っていくと須雲塾の建物が見えてくる。

3.須雲塾

林内の入り口部分に研修宿泊施設の須雲塾がある。1978(昭和53)年にカナディアン・シーダーハウスの施設として誕生した須雲塾は、本部棟、男子棟、女子棟の3棟で構成されている。本部棟には大浴場が設けられている。農学部では、ここに宿泊しながら森林の維持管理、清流でのワサビ栽培等の学生実習あるいは卒業研究等の試験研究を行っていた。また、幼稚部のお泊り合宿、小学部の林間学校、中学部の労作合宿、大学工学部の作業実習、女子短期大学の幼稚部園児のための遊具製作、クラブの合宿、教職員の研修、卒業生の同窓会などで利用されていた。しかし、1991(平成3)年の台風による大雨で土砂災害が発生し、それ以降、須雲塾は使用休止となっている。農学部がワサビ栽培を行っていたワサビ田も、2002(平成14)年の台風で流失した。そのため1983(昭和58)年より続いていたワサビ栽培も中止となった。

4.農学部の実習

本学は学外施設として箱根自然観察林のほか、北海道弟子屈農場、鹿児島南さつま久志農場、カナダナナイモ校地を有している。その中で最も早くから実習が行われたのが箱根自然観察林である。初めて学生の実習が行われたのは、1964(昭和39)年5月14日から16日までの3日間。農学部農学科の2年生22名が村上講師(当時)の引率、指導のもとで、下草刈りと「わさび田」の病害駆除を行った。

使用休止中の須雲塾は、現在、植物や動物などの観察および生態系調査、植物・樹木の同定の実習といった農学部の活動に限定して利用されている。

参考文献

  • 玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史』 玉川学園 1980年
  • 『全人』No.797 玉川大学出版部 2015年

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