玉川豆知識 No.122
「植林とは山に木を植えるほかに心へ木を植える」-第1回全日本学校植林コンクールで第3位-
「植林とは山に木を植えるほかに心へ木を植える」(『全人』第22号)と語った小原國芳は、創立期から労作教育の一つとして植林を実施。現在の緑豊かな玉川学園キャンパスはこうして誕生しました。
1.労作教育としての植林
現在の玉川学園キャンパスは、木々多き緑豊かなキャンパスとして知られていますが、創立当時の玉川の丘は、必ずしもそうとは言い難い状況でした。


道の奥が玉川学園のキャンパス

駅から続く通学路にはまだ
桜並木がなかった



土木、建築、農業、園芸、飼育、木工、印刷、出版などとともに労作教育の一つとして創立期から植林が行われ、それによって今日の緑豊かなキャンパスが作られてきました。




『全人』第759号の「玉川の丘めぐり(20)」には次のように記されています。
創立期の古写真を見ると、園内は緑豊かであったとは言いがたい。今のようになったのは、創立期から労作の一つとして植林を行っていたことによる。「植林とは山に木を植えるほかに心へ木を植える」(『全人』第22号)と小原國芳は考えた。
(略)
駅前から続く通学路のサクラの古木、けやき食堂、りんどう食堂周辺のケヤキの大木、低学年校舎玄関前の三本のヒマラヤスギは、いずれも創立期の学生や職員によって植えられたものだ。
2.第1回全日本学校植林コンクールで第3位
生徒たちは、植林を行うために、下草を刈り、穴を掘り、土や木を運搬し、木の植え付けをする労作に汗を流しました。この労作の取組が評価され、1950(昭和25)年9月14日、玉川学園高等部が高等学校植林コンクールにおいて、全国第3位ならびに東京都第1位に入賞しました。



当時、中学部、高等部、大学別に入学記念の植樹も行われていました。




参考文献
- 白柳弘幸「玉川の丘めぐり(20)」(『全人』第759号 玉川大学出版部 2017年 に所収)
- 『玉川教育―玉川学園三十年―』 玉川大学出版部 1960年
- 玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史』 玉川学園 1980年
- 玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史(写真編)』 玉川学園 1980年