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玉川豆知識 No.183

マリア像

高さ80㎝ほどの小さなマリア像が、中学年校舎(現在のK-12東山校舎)裏手の雑木林の中にありました。しかし、石膏の経年劣化が進んだため、生徒、教員、卒業生が力を合わせて修復作業を開始。2020(令和2)年11月に修復が完了し、再びマリア像は美しく蘇りました。

1.小さなマリア像

1964(昭和39)年頃から旧中学部校舎に置かれていたマリア像。このマリア像は、当時の岡田陽中学部長が1964(昭和39)年の欧米教育視察時に購入してきたものと言われています。1984(昭和59)年、中学部生の夏期労作「一夏一築」により、その像を新中学部校舎(現在の実技・実験棟)に移設。さらに2007(平成19)年より、中学年校舎(現在のK-12東山校舎)裏手の雑木林の中に移し、新たにマリア像の地盤基礎の整備と屋根づくりを生徒たちの手で行いました。板張りのこの屋根は、中学部教員のオリジナルアイデア。屋根の周辺には波形のデザインで装飾してあるものが見られますが、これはカーテンを表現しているそうです。このマリア像は、主に白色でベルトだけが青色に塗られていました。マリアは悪の象徴である蛇を足で踏み、球の上に立っている姿で、首には十字架のネックレスを付けています。

静かにたたずむマリア像

2.マリア像の修復

長い間生徒に親しまれてきたマリア像。しかし石膏の経年劣化が進み、2011(平成23)年にそれが明らかに。そこで、生徒、教員、卒業生が力を合わせて修復作業を開始。そして、2020(令和2)年11月に修復が完了しました。その時のことが、『全人』第858号(2021年発行)に次のように記述されています。

「きっかけは東日本大震災でした」と、当時中学年教育部長をつとめていた酒井健司先生は振り返ります。3.11直後、台座から落下する危険から、マリア像は急遽部長室に運びこまれました。長い年月、風雨にさらされ、痛々しいほどに傷んだマリア様を目の当たりにした酒井先生は元通りのお姿に戻すことが大切であると考えました。学内外に働きかけるも解決策が定まらずにいたとき、小川和洋氏(文学部芸術学科卒業)が部長室を訪問し、修復を申し出ます。当時中学年の美術科教員だった栗田絵莉子教諭(現芸術学部講師)も加わり、小川氏と栗田教諭が休日に修復を進めることになりました。
    (略)
さらに栗田教諭が生徒に修復の話をすると、数名が参加を申し出ました。2018年に有志生徒が一連の作業を引き継ぎ、昨年の自宅学習期間の休止を経て、11月に無事に作業を完了させました。よみがえったマリア像は、これからも生徒の成長をそばで見守り続けてくれるものと思います。

3.K-12東山校舎に設置されたマリア像

マリア像の修復が完了した後、そのマリア像を安置する聖壇の制作に瀬底正宣教諭らが指導するK-12の美術部ラボ班が取り組みました。その様子が『全人』第880号(2023年発行)で次のように紹介されています。

台座や柱、アーチの材は学内の桜、土壁の下地は学内の竹。設計、材料集め、加工、装飾などはすべて同班の児童生徒が担いました。
①奈良池で竹を伐採
②竹割器などで細く切る
③アーチ型に組み立てた木枠に、縦横に竹を編む土壁の下地「竹小舞」をつくる
④約140kgの土に藁や水をまぜて練り、竹小舞に塗り込める。後日仕上げ塗りを行い、滑らかに
⑤柱の色ガラスの枠はK-12東山校舎のArt Labで加工した
⑥Consilience Hall 2020のガラス工房にて芸術学部 栗田絵莉子講師の指導で色ガラスを制作

マリア像の修復および聖壇の制作
約140kgの土に藁や水をまぜて練り、竹小舞に塗り込める
柱の色ガラスの枠はK-12東山校舎のArt Labで加工

聖壇が完成し、2022(令和4)年12月22日、K-12東山校舎に設置されたマリア像のお披露目会が行われました。

マリア像のお披露目会

参考文献

  • 小原芳明監修『全人』 玉川大学出版部
        第767号(2012年)、第858号(2021年)、第880号(2023年)
  • 白柳弘幸「故きを温ねて」(『全人』第817号 玉川大学出版部 2017年 に所収)
  • 『玉川学園の教育活動 玉川大学の教育活動(2007~2008)』 玉川学園 2007年

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