玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

教育施設では日本初!国内最大級
中高層純木造耐火建築の学生寮建設に着手!2022年竣功予定

2019.08.06

玉川大学・玉川学園(東京都町田市/理事長:小原芳明)は、同敷地内に9階建ての中高層純木造学生寮を建設するプロジェクトに着手しました。1~9階の構造体(柱・梁・筋交)は全て日本の伝統的な木造軸組工法※1です。教育施設では、日本初となる木造9階建て、木造としては国内最大級の学生寮となる見込みです。

<外観完成予想図>

緑豊かな玉川学園のキャンパスと調和した、地域全体のサステナブルなランドマークとしてデザインしました。内装にも木材を積極的に使い、寮生が過ごしやすい温かみのある居住空間とします。内装材には学園内の間伐材を一部活用、外壁材には国産間伐材をチップにして使用した窯業系サイディング※2を採用し、森林資源を活用した環境に優しい学生寮を目指します。
構造・耐火面などに日本初の技術を採り入れ、実証実験を重ねながら、建設を進める予定です。この成果により、従来の工法より低コストかつ安全な純木造中高層建築物が実現し、さらなる普及が期待されます。

本リリースのポイント

  • 国土交通省 2019年度「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」採択
  • 構造体(柱・梁・筋交)が全て木造の純木造9階建て。中高層純木造耐火建築物では、国内最大級
  • 構造・耐火面などで最新技術を実証実験し中高層純木造の低コストかつ安全な工法を確立
  • 9階建て木造建築物としては日本初の基礎免震構造を採用
  • 内装材に学内の間伐材を一部活用
  • 外装材には国産間伐材体積比率50%以上使用した窯業系サイディングを採用
  • 循環型資源を用いた地球環境に優しい建築物(右図参照)
  • 燃え止まり型の木質耐火部材(COOL WOOD/(株)シェルター)を採用
  • 2時間耐火構造の木造軸組床の採用は日本初
  • 広くこの取り組みを知っていただくために構造体見学会・竣功見学会を実施予定

木造建築採用の理由と思い

<内観イメージ>

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(2010年10月1日施行)に伴い、積極的な木材利用が地球環境、社会貢献に寄与すること、また本キャンパス内の樹木も更新時期であり伐採材の有効活用も推進したいという2つの事由から、木造での教育施設建設を検討しました。木造建築ならではのぬくもりは、学生の居住空間に最適と考え、学生寮に採用しました。さらに内装にも木材をふんだんに使用することで利用する学生にとって居心地の良い安らぎの空間を提供したいという思いがあります。

新学生寮 概要

<構造概要>

物件名:学生寮建設工事

設計:株式会社久米設計

設計協力:株式会社シェルター

規模:敷地面積 約332,317㎡
建築面積 約850㎡
延床面積 約6,150㎡
地上9階建て、最高高さ 約31m

建設地:東京都町田市

工期(予定):2021年3月~2022年12月

基礎は免震構造を採用、木造部分への地震力の入力を低減し、安全性と経済性を兼ね備えた計画としました。構造材には国産カラマツを使った高強度LVL材※3を開発。接合部は鋼板とドリフトピン※4を用い、新しいピンの配置を実験で検証することで、コスト削減と施工性の向上を目指します。

<燃え止まり型の木質耐火部材>

1~5階は2時間耐火構造、6~9階は1時間耐火構造。柱、梁には国土交通大臣認定を取得した燃え止まり型の木質耐火部材を採用します。木造軸組床の2時間耐火仕様の採用は日本初です。柱、梁の表面材には国産のスギを使用し、木のぬくもりのある空間とします。
木造建築は断熱性や調湿効果、木の香りによるリラックス効果などから、人の住む環境、学生の学びの場に非常に適しています。この最新の木構造・耐火技術を結集した木造9階建て学生寮が、木材利用を推進する中高層ビルのモデルケースとなることを期待します。

<国土交通省 2019年度「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」採択評価 コメント>

9階建て学生寮を木造軸組構法と免震構造により建設する計画であり、これまでの木造建築の階数を大きく上回る規模のプロジェクト。1~9階の構造材(柱、梁、ブレース※5)は140EのLVL材を用いた純木造とし、K型ブレースを用いたブレース構造の採用、配置効率の良いドリフトピン接合の開発、9階建て木造建築物として初の基礎免震構造など多くの先導的な技術を採用している。構造体見学会、竣功見学会の開催が計画され、建築関係者のみならず一般にも周知を図っており、上記設計・施工・木材調達における先進技術の普及・啓発が期待できる。

引用元 >>> https://www.mlit.go.jp/common/001300924.pdf

  • 用語解説

    • ※1 木造軸組工法…
      柱や梁、筋交などの軸組で建物を支える、日本で古くから発達してきた伝統工法(在来工法とも呼ばれる)
    • ※2 窯業系サイディング…
      セメントと繊維質を用いて、窯で高熱処理した板状の外壁材(今回は繊維質に国産木材を使用した外壁材を用いる)
    • ※3 LVL材…
      木材の薄い板を、繊維方向をそろえて積層・接着した木質材料
    • ※4 ドリフトピン…
      柱や梁、筋交を接合する際に用いる棒状の金具
    • ※5 ブレース構造…
      地震や風による水平方向の力を、ブレース(筋交)と呼ばれる斜め部材で支える構造形式

シェアする