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シオカラトンボ

クロバエ科の一種を捕食するオス。獰猛で時には共食いもする

日本で「最も馴染みのあるトンボは?」と聞かれた時に、多くの人はおそらくこのシオカラトンボを挙げるだろう。 
本種は日本のほぼ全域に分布しており、生息環境は湖沼や水田、川の淀み、公園の池などと幅広い。その適応力の高さが、分布の広さや親しみやすさに繋がったと思われる。特徴の大きな複眼は、童謡『とんぼのめがね』の一番の歌詞“水色めがね”を連想させる深い水色だ。学内では農学部農場の水田などで観察できるが、素早く飛び回るので、見るだけならともかく、その姿を写真に撮影しようと試みても意外に難しい。春に行われる低学年の子ども達による代掻きの際には、泥の中からヤゴがたくさん見つかる。
シオカラトンボの名前の由来は、白色の姿が塩辛昆布(塩昆布)に似ているからとされる。この白色の正体はワックス質の粉で、例え舐めても塩辛くはない。最近の研究で、この粉が紫外線を反射する事が判明し、これにより真夏の日差しの下でも元気に活動できるようだ。近年は、女性を中心に美白・UVカットが流行りだが、シオカラトンボは遥か大昔から既に紫外線対策をしていたようである。

(農学部技術指導員 横倉 啓)
『全人』2019年6月号(No.839)より

シオカラトンボ

学名:Orthetrum albistylum speciosum
トンボ科シオカラトンボ属

日本全国に分布し、3~11月にかけて世代交代を繰り返しつつ発生する。幼虫(ヤゴ) は水中の泥に浅く潜って生活し、ミジンコやボウフラ(カの幼虫)などを食べて育つ。
オス・メス共に成熟すると白粉を吹き、特にメスは体が黄色いので“麦わらとんぼ”とも呼ばれる

“麦わらとんぼ”とも呼ばれるメス
春の水田の一角で羽化するオス

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