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シロイヌナズナ

ポット栽培中のシロイヌナズナ

アラビというニックネームで植物研究者に親しまれている植物をご存じだろうか? 数ある被子植物の中で、モデル植物として世界中で活躍しているシロイヌナズナである。ファッションモデルとは異なり、シロイヌナズナがモデルとなり得た理由は、背丈が小さく栽培しやすいからである。また、遺伝情報を含む染色体も小さいため、2000年に植物で最初に全遺伝情報が解読された。以降、植物の遺伝子が働く仕組みを調べる研究などに、より一層貢献している健気な植物である。
シロイヌナズナは直径2㎜程の白い十字花を咲かせる。野原で出会うペンペン草に似ているが、莢(さや) の形はハート型ではなく細長い。これまでに世界各地から採集されたシロイヌナズナは、1、000以上もの系統に分類されている。
玉川では、よく研究に使われる‘Col-0’系統が、大学6号館にある栽培装置の中で所狭しと育っている。
最近読んだ三浦しをん氏の小説『愛なき世界』の中で、シロイヌナズナとそれを扱う研究者の生態がなんとも的確にわかりやすく綴られており、感心した。シロイヌナズナを取り巻く研究世界に興味を持った方にお薦めしたい。

(農学部准教授 奥崎文子)
『全人』2020年3月号(No.847)より

シロイヌナズナ

学名:Arabidopsis thaliana
アブラナ科シロイヌナズナ属

世界中の様々な地域に生息する1年生の野草。研究用のモデル植物。地面に接するロゼッタ葉が展開した後、中心から約20㎝の花茎が伸長し、花をつける。自殖性であり、約2カ月で1個体から数百~数千もの種子が取れる。23℃前後の比較的涼しく乾燥した環境を好む

蕾から茶色の種ができるまでの過程。ゴマと比較
開花中の花(撮影協力:玉川大学農学研究科修士1年 高田美輝)

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