フクロウ

森林内の樹木で休息するフクロウ

夜間に車を走らせていると突如ネズミが姿を現した。とその瞬間、上空からフクロウが飛び掛かかる。目の前で繰り広げられたあまりにも突然の自然の営みに感動し、しばらく興奮が冷めやらなかった。
フクロウの狩りは実に巧妙だ。獲物の位置をより正確に捉えるために聴覚を発達させ、わずかな音も聴き逃さない。そして羽音を立てずに飛び回り、獲物を捕らえる。目は顔の正面についており、獲物との距離を測りやすい。その反面、視野は狭くなるため、それを補うために頸(くび) は大きく回る。
繁殖期には樹洞(じゅどう) で営巣することが多い。メスは抱卵(ほうらん)・抱雛(ほうすう)に専念し、ヒナの孵化後しばらくまでは巣からでることはほとんどない。そのため、餌運びはオスの役目だ。ネズミ類や小型鳥類などを捕らえては巣に運び、子育てを共同で行っている。
しかし、樹洞ができるような大径木は、戦後の拡大造林や開発などにより減少しつつある。フクロウとの共存を図るためには、彼らが営巣可能な大径木を残していくとともに、餌となる多様な動物が生息できるような森林環境を保全していくことが重要である。

(農学部准教授 關 義和)
『全人』2021年9月号(No.863)より

フクロウ

学名:Strix uralensis
フクロウ科

主にユーラシア大陸の亜寒帯から温帯にかけて広く分布する。日本では九州以北に留鳥として分布し、学内でも生息が確認されている。東京都レッドリストでは、地域によって絶滅危惧Ⅰ類またはⅡ類に分類されている。餌動物の未消化物は、ペリットとして口から吐き出す習性を持つ

骨や体毛などが含まれたフクロウのペリット
産まれて間もないフクロウのヒナ