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カラスウリ

赤く熟した果実

秋から初冬にかけて、学園内は紅葉や朱〜赤の実で彩られる。柿やピラカンサ、ガマズミや万両(まんりょう)など、熟すと次々に鳥についばまれ、或いは獣たちの餌となり、種子は方々に運ばれ、真冬の頃には実はなくなる。ところが、木々に絡みついたカラスウリは、真冬になっても赤い実がよく目立つ。鳥や獣たちには、あまり人気がないようだ。しかし、冬の室内装飾や絵画のモチーフには好まれる。
実を割って黄色い果肉をちょっと舐めてみる。ん、甘い。が、後からじわじわと不快な苦味が舌の奥に広がる。美味しいものではない。更に実をほぐして種子を取りだしてみる。ほぅ、面白い形だ。昆虫の頭? いや、サイズと質感は、某社のチョコ菓子が熱で溶けた感じである。
毎年同じ場所に生えるのは、地下に芋をつくる宿根草(しゅっこんそう)だから。こちらも掘って洗って、ちょっと口にしてみる。おおぉ、強烈に苦い(表情が歪む)。食用には不向きだが、漢方薬としての利用はあるとのこと。勝手な想像だが、もしかしたら、苦みによって鳥や獣を避けて、装飾価値や薬効で、人にアピールしてきた植物なのかもしれない(あくまでも個人の想像です)。

(農学部教授 山﨑 旬)
『全人』2021年12月号(No.866)より

カラスウリ(烏瓜)

学名:Trichosanthes cucumeroides
ウリ科カラスウリ属

蔓性の宿根草。雌雄異株(実がつくのは雌株)。果実や芋は漢方薬(王瓜、王瓜根)として利用があるとのこと。種子の形状は「打ち出の小槌」に例えられ、財布に入れる縁起物にされることも。夏の夜に咲く、真っ白い幻想的な花もよく知られる

根(掘るのは容易。とにかく苦い)
面白い形の種子。(左は摘出直後。右は机上で数日乾燥後)

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