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サーモンベリー

名前の由来となった“おいしそうな”果実

初春から初夏にかけて、カナダのナナイモ校地内ではやや大きめでピンクや赤、紫色の花をつけるサーモンベリーがみられる。開花期が2月初旬から6月にかけてと長く、同時期に果実も多くつける。
果実はラズベリーに似ていておいしいという人がいる一方、人によってはまずいという評価も下されている。ただ、鳥や動物にとっては重要なエサ資源となっており、同時に彼らは種子散布者でもある。ちなみに、先住民の人たちは果実とともに若芽も食用にしている。生で良し、煮ても良し、だそうである。
2004年に、ブリティッシュコロンビア大学の演習林内の渓流沿いで森林伐採試験が行われた。伐採後、数年で樹高2〜3mのサーモンベリーが極めて高密度に繁茂しており、調査時は茎にあるトゲに大いに悩まされた。とくに渓流沿いから数十mの範囲は顕著で、本種が高密度に繁茂すると森林構成種である針葉樹実生は光を得られず更新することができない。
持続可能な林業を考えるならば渓流沿いの過剰な伐採は控えるべきだろう。一方で、本種は土壌浸食を抑制するので、適度な分布量を保つことが重要である。

(農学部教授 南 佳典)
『全人』2022年2月号(No.868)より

サーモンベリー

学名:Rubus spectabilis
英名:Salmonberry
バラ科キイチゴ属

北米西海岸に広く分布する灌木である。耐陰性が高く、土壌中の水分や栄養が豊富な立地に対する良い指標種である。茎に細いトゲがあり、作業着を貫通し刺さるのが厄介である。名前の由来は、果実の色や形がサケの卵に似ているからといわれているが、諸説あるらしい

葉や茎が密生する植物体。よく見るとトゲが
約4cmの大きさの花

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