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アキアカネ

産卵中のカップル。オスがメスを確保した状態で産卵する

三木露風作詞、山田耕筰作曲の童謡『赤とんぼ』は、切ない情景と旋律が心に響く。日本だけの有名歌かと思いきや、なんと国際トンボ学会の学会歌に指定されている。いわゆる“赤とんぼ”とは、アカネ属に該当するトンボの総称で、国内には約20種が生息している。属単位では日本のトンボで最も数が多く、国を代表する一群と称しても過言ではない。中でも、特に知名度が高いのはアキアカネだろう。
アキアカネは国内に広く分布し、水田や開放的な湿地に生息する。早ければ6月には成虫が発生し、夏季は山地や高原など涼しい場所へ移動してゆっくりと性成熟する。秋には麓(ふもと)へ戻り、卵を残して一生を終える。産卵は日当たりの良い泥面や浅い水辺で行うので、稲刈り後の水田は最高のゆりかごだ。ただ、光を反射する物を水面と判断してしまうため、道路の水溜りや車のボンネットに産卵することもある。
稲作と共に生きてきた本種だが、農業の近代化に伴う水田構造の変化と農薬の影響により、現在は各地で激減している。夕日を背景に田園を舞う姿が、幻とならぬよう願うばかりだ。

(農学部技術指導員 横倉 啓)
『全人』2022年4月号(No.870)より

アキアカネ(秋茜)

学名:Sympetrum frequens
トンボ科アカネ属

北海道から九州にかけて分布し、主な発生時期は6~12月。卵で越冬し、幼虫期間は約3カ月。羽化後しばらくは体が黄色だが、性成熟が完了するとオス・メス共に赤色に変化する。成熟期間調整のため冷温な環境へ移動する習性があり、追跡調査では約70km移動した例もある

日光浴中のメス。白色系の物に好んで止まる
未成熟のオス。標高800mの山地にて発見

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