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オモト

学内農場脇の林内でみられる大株のオモト

引っ越しや新築の時、この植物の鉢植えを、人より先に入室させるという習慣(縁起物)でおなじみの植物である。「万年青」と表記されるのも、よく知られている。字で書くとおり、冬になっても葉を落とさず、学園内の林の中でも、青々とした葉は、結構目立つ。
斑入(ふい)りや矮性(わいせい)、縮葉(しゅくよう)など、変異個体がしばしば出現し、これらは園芸植物として古き時代から鉢栽培が楽しまれている。一方で、有毒植物(薬用植物)としての側面もある。過去には間違った処方により、死亡事故も起きているとのこと。「有毒植物」というと、忌避しがちだが、口や目に入れたりしなければ、害はない(乳幼児については要注意!)。
私見ではあるが、祭事や祝い事などの時、お祓いや供え物に使う植物は、有毒種(正月飾りのユズリハや仏に供えるシキミなど)や、棘(とげ)のある種(節分のヒイラギや正月のマツ、お盆のナスなど)が多くみられるように思う。毒や棘(針)のある動植物を、いたずらに嫌ったり、怖がりすぎたりせず、場面場面でつかず離れず、適度な距離をとって、つき合いたいものである。それが仲間というものだと思う。

(農学部教授 山﨑 旬)
『全人』2022年12月号(No.877)より

オモト(万年青)

学名:Rohdea japonica
キジカクシ科(旧ユリ科)オモト属

常緑性の宿根草。日本を含む東アジアに分布。太い根茎を有し、葉は濃緑色で30~50cm、革質。多彩な変異株がみられ、古典園芸植物として親しまれてきた。江戸時代からこれまでにも大ブームとなった時期が何度かあり、驚異的な価格が付けられたことも。また一部地域(新潟、福井、鹿児島)では、準絶滅危惧種に指定されている

地下にはこのように太い根茎があり、株分かれする
お馴染みの鉢姿

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