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フクロツルタケ

2023年7月、経塚山に続くアカマツ・コナラ混交林斜面に発生

玉川学園には多くの緑が残されており、さまざまな野生きのこを見つけることができる。6月の梅雨シーズン後半から夏にかけてはコナラ・マツ・モミなどのある林で、「テングタケ」の仲間が発生する。「テングタケ」の仲間は子実体が中型から大型のものが多く、比較的見つけやすい。公園やキャンプ場でもよく見かける。
フクロツルタケは、名前の由来となるぐらい大きな袋状のつぼを持つ。いかにもきのこらしいバランスのとれた形をしているが、アマトキシンと呼ばれる毒成分を含み、誤食による死亡例もある猛毒きのこなので、注意が必要である。一方で、周囲の樹木と共生関係にあることが知られており、地下に張り巡らせた菌糸を介して土壌養分を樹木に与えることで森林環境の維持に大きく貢献している。
秋になるとこのような毒きのこを見つけることもあるだろう。しかし、毒きのこは自然界に棲息するきのこの中では少数派である。興味本位で食するのはもっての外だが、必要以上に警戒せず正しい知識をもってきのこシーズンを楽しんではいかがだろうか?

(農学部准教授 石﨑孝之)
『全人』2023年9月号(No.885)より

フクロツルタケ

学名:Amanita volvata
ハラタケ目テングタケ科

傘直径5~10㎝、高さ10~15㎝、全体的には白色で、褐色の大きな袋状のつぼと、傘に褐色の綿くず状鱗片をもつ。つば(内被膜)はない。スダジイやコナラ林などブナ科の林内に発生。日本、中国、ロシア沿海州、北米に分布。有毒

傘裏面。ヒダ末端が柄に触れていない「離生」であることが特徴
胞子の顕微鏡写真。7.5~12.5×5~7μmの楕円形。濃紫色に染色

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