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キンチョウ

温室で生育するキンチョウ

上へと真っ直ぐと伸びる力強い立ち姿、葉は多肉質で灰緑色と紫黒色の斑紋が刻まれており、その先端には無数の小さな芽がついている。キンチョウとはなんと珍妙な植物だろうか。着任一年目に植物増殖がご専門の農学部山﨑旬先生より紹介いただき、一目で心を掴まれてしまった。
本種はマダガスカル原産の多年生草本植物で、日本には園芸用として導入された。近年は野生化した個体も報告されている。暖かい環境を好むため、関東では冬を越せず、学内では温室を根城とし、「温室雑草」としての地位を確立している。雑草と呼ばれるほどの生命力に、葉の先端にある芽の存在は欠かせない。これは「不定芽(ふていが)」と呼ばれ、一般的な植物にもある茎の先端(頂芽:ちようが)や、葉のつけね(側芽:そくが、腋芽:えきが)に加えた第三の芽である。ちょっとした接触でポロポロと落ちる不定芽を使い、温室中へと領土を広げていく。
ずぼらな私でも育てられるため、研究材料にはもってこいである。現在は興味を持った学生と一緒に、園芸価値の向上を目指し、葉の紫黒色の斑紋に関わる色素と、発色の最適条件の解明を試みている。

(農学部准教授 上原 歩)
『全人』2024年1月号(No.889)より

キンチョウ(錦蝶)

学名:Kalanchoe delagoensis
ベンケイソウ科リュウキュウベンケイ属

花期は冬。葉の紫黒色の部分にはクロロフィルやカロテノイドに加えアントシアニン色素を持つ。近縁種には「コダカラベンケイ(子宝弁慶)」や、これとキンチョウの雑種由来となる「フシチョウ(不死鳥)」など、縁起の良い名前がつけられた種が多い。いずれも不定芽を持つ

長い花茎の先に朱紅色の筒状花を多数つける
葉の先端には多数の不定芽をつける

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