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コオニヤンマ

縄張り内を見張るオス。長い脚にもかかわらず枝先でも器用に止まる

以前、オニヤンマの紹介で「玉川の丘には鬼が潜んでいる」とお伝えしたが、実は小鬼も潜んでいる……。もちろん、本物の小鬼ではなく、昆虫のコオニヤンマだ。
本種は北海道から九州にまで分布し、周囲に丘陵や樹林のある河川に生息する。北海道弟子屈農場では付近の釧路川に生息しており、時折農場まで飛んで来る。見通しの良い場所に止まる習性があり、岩の表面や枝先・砂浜のみならず、私は観察中に何度も頭に止まられた。特徴の後脚は長さが4cm近くあり、その巨体をカメラの三脚の如く支える一方で、狩りでは中型のチョウやガ、時には他のトンボも鷲掴みに絡め取ってしまう。
オニヤンマより少し小さく、外見が似ているためオニヤンマと命名されたが、サナエトンボ科という別の分類に属する。共通点はもう一つあり、オニヤンマの種小名sieboldiiと本種の属名Sieboldiusは、ドイツ人医師・博物学者のシーボルトに由来する。また、種小名はjapponicus(日本の)となるはずが、命名過程で基準標本が別種と入れ替わり、命名後に判明したため変更できず、現在に至るという不遇な経緯を持つ小鬼だ。

(農学部技術指導員 横倉 啓)
『全人』2024年2月号(No.890)より

コオニヤンマ(小鬼蜻蜓)

学名:Sieboldius albardae
サナエトンボ科コオニヤンマ属

北海道から九州にかけて分布し、主な発生時期は6~9月。中・大河川などの流水環境に生息する。オス・メスともに複眼は緑色で、体色は黒黄の縞模様。後脚が特に長い。幼虫(ヤゴ)の体型は枯葉のように楕円形で平たく、川底の堆積物の中などに潜む

メス。水辺からかなり離れた場所にいることもある
ルリイトトンボを捕食するオス

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