2月号特集「脳科学の扉」取材メモ
「人類最後のフロンティア」――
脳は、よくそう言われます。玉川大学脳科学研究所には、このフロンティアに挑む研究者が集まっています。今回は、その脳科学研究所の新たな拠点、Human Brain Science Hallの竣功にあわせ、特集を組みました。

脳科学の研究の手法はさまざまです。脳の神経活動をMRI(Magnetic Resonance Imaging)を使用するのもその一つです。ちなみに上の巨大な装置がMRIです。
脳の活動は見えないだけに、その研究も高度かつ複雑で、筆者のような一般の人間には近寄りがたく思えてしまいます。
そこで、特集では、脳科学研究所の研究者に質問を投げかけ、可能な限り、平易な答えを練ってもらいました。
たとえばこんな質問――
“「目を見て話しなさい」 とよく言われますが、 目を見ると心が通じるのでしょうか?”
確かに、通じるように感じます。それなら、目と目を合わせたとき、脳の中ではどんなことが起こっているのでしょうか?
答えはぜひ『全人』でご覧ください。筆者は今回、人間のみならず動物にも共通する「脳内機構」を知ることで脳への関心が一気に高まりました。
巻頭に掲げた、ミシガン大学・北山忍教授の講演抄録「脳からみた心と文化」も必読です。
個々人が独立的な欧米と、他者との調和や協調を重視するアジア――日本を含む――の違いを、脳の中に分け入って探究する内容で、筆者のような文系出身者も、大いに興味をそそられるものでした。