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故きを温ねて 72

学問を掘って行く掘り方が尊いのだ。究めて行く力が尊いのだ。

1971(昭和46)年度の高等部自由研究口述発表。大体育館にて
昭和41年度『自由研究誌上発表』誌。288頁33名の発表論文が紹介され「天正少年使節とキリスト教」などの論題が載る

自由研究について「与えられた知識よりも、自ら進んで掴(つか)みとった知識が高いのである……学問を掘って行く掘り方が尊いのだ。究めて行く力が尊いのだ」と小原國芳は『自由研究誌上発表』誌(昭和41年度高等部編)で述べている。
玉川学園では創立以来、各部で学習の労作化として教科の発展学習や総合学習が行われた。それらは自由研究と言ってよい内容であった。
戦後初の学習指導要領で設けられた自由研究は後に特別教育活動に改められた。しかし1949年の高等部(当時)「教育課程」では、1年生から3年生まで自由研究に週4時間が充てられ、創意工夫、問題解決力や探究心を培った。そして自由研究発表会の場を設けるなどして大切にしてきた。現在も年度末に自由研究発表会として行われている。
玉川学園で国際バカロレア(IB)プログラムを導入したのは、IB教育の理念の第一に「探究する人」としていることなど、全人教育と通じる内容が多々あったからだ。IB教育の理念について文部科学省「国際バカロレア日本アドバイザリー委員会報告書」(2014年4月)に「IBは、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムであり、全人教育を通じて、主体性を持ちバランス感覚に優れた、国際社会で貢献できる人材の育成を目的としている」などと述べられている。
小原國芳とIB教育の基礎を唱えたクルト・ハーンがもし出会っていたならば、意気投合しどのような会話が交わされたであろうか。

(文=白柳弘幸 教育博物館)
『全人』2019年11月号(No.843)より

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