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故きを温ねて 78

デンマーク研究発表会を通して

高等部(当時)を会場として行われた研究発表会の様子。右端がチルリット公使。1950年6月18日
1950年4月12日、玉川学園ユネスコ協力会発会式。当時、日本は国際連合未加盟であった

1950(昭和25)年4月、玉川学園は「広い地域にある多数の学校の中でトップを切りユネスコ協力会を結成」(『全人』14號)した。
その後、全学園で2カ月間「デンマーク研究」に取り組み、6月18日「デンマーク研究発表会、ニルス・ブック氏70歳誕生記念祭」(『全人』16號)を開催。全学園で取り組む総合学習は戦前の満洲研究、南洋研究に次いで3回目であった。在校生一人ひとりがデンマークを研究課題として取り組んだ。
高等部校舎(当時)を会場にし、小学生はアンデルセン童話の絵や人形づくり、中学生はアンデルセン作『眠りの精』の劇発表や地勢模型図制作、高校生は産業や経済、大学生は農業の概要発表等と多彩な発表会になり、お互いに刺激を受けただろう。もちろんデンマーク体操の発表も行われた。
この活動には各部教員も参加し、2日後に礼拝堂で催された大学主催による文化講演会の発表者は全員が大学教員(『玉川敎育 第三號』)で、まさしく全学あげてのデンマーク研究発表会になった。
発表会当日はデンマークのチルリット公使ら在京デンマーク人が20数名、国内のデンマーク体操関係者、大勢の保護者も来園した。戦後、日本の国際社会への復帰がまだ認められていない時分、デンマークの方々と交流を深められた1日になった。「世界が、こんなに、どこでも仲よくなれたら」と小原國芳が感慨深げに述べている。
デンマーク研究発表会を通して、平和の文化の推進等を掲げるユネスコの精神も玉川っ子たちは感じ取っただろう。

(文=白柳弘幸 教育博物館)
『全人』2020年5月号(No.849)より

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