玉川豆知識 No.105

53年前に学生たちが労作で造ったゴルフ練習場

1966(昭和41)年、玉川学園のキャンパス内にゴルフ練習場が完成。その練習場は、ゴルフ部に所属する学生たちの手によって造られました。彼らは自分たちの力で日本一のゴルフ練習場を造ろうという大きな夢を持ち、立派な練習場を完成させたのでした。

玉川大学にゴルフ部が誕生したのは1963(昭和38)年、日本で初めて夏のオリンピックが開催された年の前年。翌年4月には大学の体育会の準部として認められました。その2年後の1966(昭和41)年にゴルフ練習場が完成。ゴルフ練習場は、学園の東口横の崖の傾斜を利用する形で、現在、記念体育館や弓道場のある場所の隣に造られました。そして、6月6日に竣功式が行われました。

1966年ゴルフ練習場竣功式
1966年ゴルフ練習場竣功式
1967年

このゴルフ練習場の設置は、ゴルフ部が当時の小原國芳学長にお願いして実現。ゴルフ場を造るにあたっては、ゴルフ部に所属する学生たちが崖地を切り拓いての整備を担当。崖の上には生活道路が通っていたこともあり、崖地を切り拓くのはかなり大変な労作でした。特に腰までつかるような沼地や、深く長く根を張った雑木、そして雑草、それを整備するのにとても苦労しました。ゴルフを行うどころか、クラブに代わって、鍬や斧、鎌、スコップを持っての練習場づくり。自分たちの力で日本一のゴルフ練習場を造ろういう大きな夢があったから、毎日の苦しい労作にも耐えられたと当時の学生は「ゴルフ部報」の中で語っています。

「体育会会報」第3号(1965年12月発行)に次のような記述があります。

今年の三月から三ケ月間位かかり、我々は全く学生としてもったいない程の立派な練習場を作りあげた。その間は全く技術を磨く時もなく、ただ一つの目的“作りあげる事”に全員、力の限りを尽くした。まだ三月であったので、夕方はすぐ暗くなるし、寒かったりしてとてもきつい労作が続いた。女子もくわやすきを慣れない手つきで持ち、木を切り倒したり、がけの上をくずしたり、男子に至っては、全く女子の何倍も働いてくれた。皆ケガをしたり、マメをつくってまで、自分達で作り上げることに力を尽くした。この三ケ月位の熱意と忍耐が、一つの立派な物を作ったのだ。それだけでも、多くの精神的修行となっている。

また、『玉川学園・玉川大学 体育祭の歴史』(玉川学園・玉川大学体育・スポーツセンター発行)には、ゴルフ練習場について次のように記されています。

大学8号館(以前の工学部校舎)の裏手にあたる場所は、「土橋谷戸」と呼ばれる谷であった。長津田からこどもの国を通って伸びる深い谷で、この谷は水田が続き、奥は急斜面の壁となっていた。
雑木林の中に笹竹が伸び、人が通ることもできなかったこの谷を、昭和40年大学生が木を切り、草を刈り、崖を崩して芝を張り、ゴルフの練習場に作り上げた。

ゴルフ練習場が完成してからも、雑草取りなどの整備のための労作は継続。学生たちは自分たちの手で造り上げたゴルフ練習場を誇りに思いながら、日々の練習に励んでいます。

1960年代後半から70年代前半にかけ河野高明氏、杉本英世氏とともに「和製ビッグ3」と呼ばれていたプロゴルファーの安田春雄氏、その安田氏によるゴルフレッスンも行われました。

そのゴルフ練習場が、2018(平成30)年3月に発生した集中豪雨の影響を受け、学園の東口横の崖が崩れ、使用できない状況となりました。そのため仮設のゴルフ練習場を本部棟の横に設置して対応しました。

2019(令和元)年5月末にゴルフ練習場の修復工事が完了。6月6日に安全祈願の清祓式が執り行われました。6月6日に清祓式を実施したのは、53年前にゴルフ練習場が完成し、その竣功式を行った日が1966(昭和41)年の6月6日だったからです。

参考文献

  • 『ゴルフ部報』創刊号 玉川大学体育会ゴルフ部 1967年
  • 『体育会会報』第2号 玉川大学体育会 1965年
  • 『体育会会報』第3号 玉川大学体育会 1965年
  • 『クラブ紹介誌』 玉川大学 1967年
  • 体育祭の歴史編集委員会編『玉川学園・玉川大学 体育祭の歴史』 玉川学園・玉川大学体育・スポーツセンター 2009年
  • 玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史』 玉川学園 1980年