玉川豆知識 No.109

写真で見る玉川学園⑦ 労作 その2

玉川学園創立者である小原國芳は、常々、「額に汗を流し、労しむことは万人の喜びであり、誇りであり、義務である」と考え、労作教育を重視してきました。國芳は「作」は作業の作ではなくて、創作の作であり、「自ら考え、自ら体験し、自ら試み、創り、行うことによってこそ、真の知育、徳育が成就する」と考えました。國芳が目指したのは、「労作によって知行合一の強固なる意志と実践力を持った人間形成」でした。

玉川学園における労作教育について、石橋哲成玉川大学名誉教授が下記のように述べています。

小原が提唱した「全人教育」とは、学問教育(真)も、道徳教育(善)も、芸術教育(美)も、宗教教育(聖)も、さらに健康教育(健)も、技術教育(富)も、それを一体とした「真の人間教育」であった。しかも小原は、それぞれ6つの教育は、「労作教育」によって成就されるとしたのであった。
      (略)
小原が「労作教育」という場合、少なくとも3つの観点からとらえているように思われる。(1)教育の原理としての労作、それは学習の労作化であり、道徳の労作化であり、芸術の労作化であり、宗教の労作化である。(2)教科としての労作、それは、労作の時間を設定したうえでの田畑での仕事であったり、出版の編集である。さらに(3)美化活動としての労作、これは自分たちの学習の場の整理、整頓であり、環境の美化である。以上のことを図に示せば、次のようになるであろう。

ここでは玉川学園の労作の様子を、上記の分類で、写真で紹介します。

1.学問研究や芸術活動としての労作

ホームスパンを織る
総合学習「満州研究」
デンマーク研究
ピアノ製作・メンテナンス
ヴァイオリン製作
自動車の研究
自由研究
合奏の指揮
合唱の指揮
キリンの製作
ペガサス祭装飾
風車製作

2.生産活動や身体の鍛錬としての労作

工芸
事務室当番・電話当番
生活当番・薪割り
生活当番・新聞配達
印刷
出版
飼育
植樹
崖くずし
建築
田植え
芋掘り

3.環境美化としての労作

参考文献

  • 小原國芳著『全人教育論』 玉川大学出版部 1969年
  • 石橋哲成「日本統治下の台湾における労作教育―台北州士林公学校を中心に―」(平成22~24年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(一般)研究成果報告書『日本植民地・占領地教科書と「新教育」に関する総合的研究~学校教育と社会教育から』 2013年 に所収)
  • 小原芳明監修『全人』833号 玉川大学出版部 2018年