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玉川豆知識 No.142

幻なければ民亡ぶ

「No vision,the people perish.」(幻なければ民亡ぶ)は、小原國芳が好んだ言葉のひとつです。小原は常々「幻なければ民亡ぶ。幻の見られる、大きな夢の見られる人間になってほしい」と語っていました。

小原國芳は「幻なければ民亡ぶ」という言葉を好んで使っていました。小原が言う「幻」は、幻想を意味するのではなく、未来を遠望する夢のこと。そして小原が生前最も多く書き残した書の一つが、“タ”の部分が一画多くなっている「夢」の文字。そこには、一つでも多くの夢を持ってもらいたい、より大きな夢を持ってもらいたい、という小原の願いが込められています。

一画多い「夢」の文字

小原國芳著『小原國芳全集14 塾生に告ぐ』に次のように記されています。

私の最も好きな言葉にビジョン(幻)という言葉と、ドリーム(夢)という言葉がある。

また、同書にはこのような記述があります。

「幻なければ民亡ぶ」
と『旧約聖書』での「箴言」篇でソロモンは崇くも訓えてくれた。まぼろしのない、夢のない、理想のない、虹のない、空想のないところには、一歩の現実も成就できない。結局、創造は想像からである。

小原國芳著『理想の学校』には次のように記載されています。

私は、「ゆめ」なき日本の政治、日本の教育・・・・・・をこの上もなく腹立たしく思う。
幻なければ民亡ぶ
幻のないところに進歩があろうはずがない。向上があろうはずがない。私は永久に夢に生きたい。

小原國芳が揮毫した書
玉川学園講堂(1993年)

『全人教育』第470号にはこのように記されています。

先生は生前、毎年の大学卒業生全員に、夢を揮毫してためがきを添え、茶掛けに表装して卒業証書と共に与え続けられていた。社会人として巣立つ青年に与えるこの文字は、可能性の開発と困難に向かって奮い起つ意欲をもり立てる師の最後の贈る言葉であった。
「幻なければ民亡ぶ」とは小原先生の口癖であった。この場合の幻は無論幻想などではなく、未来を遠望する夢でなければならない。
  (略)
青年たちよ、大胆な想像力と広大な世界を見通す遠望の力をもてと、先生は「夢」をかきつづけられた。

小原國芳が揮毫した、卒業生に贈る「夢」の書

参考文献

  • 小原國芳著『小原國芳全集14 塾生に告ぐ』 玉川大学出版部 1964年
  • 小原國芳著『理想の学校』 玉川大学出版部 1975年
  • 小原哲郎監修『全人教育』第470号 玉川大学出版部 1987年

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