玉川豆知識 No.143

写真で見る玉川学園 ⑬ キャンパスの動物

「ホントの知育を成就せんが為に労作教育が必要なのです。筆記と講義と暗記と点数と、席次と概念と抽象と詰込みだけで、どうして、実知が、真知が、ベーコンのいったような『知は力なり』といったような生きた力ある知識が得られましょうか。
(略)
農芸をはじめ、養鶏、養豚、養蚕、養蜂、牧畜に手をつけ、更に食用蛙、鯉、ウナギ、兎或はヤギといろいろ計画中なのは、ホントの動植物や化学、地質土壌学なぞを学ばんがためなのです。」

『玉川塾の教育』(小原國芳著、玉川大学出版部)より

1.小さな畜舎が点在-キャンパスの広範囲で動物を飼育

創生期の玉川学園では、養蚕(桑畑一反歩、夏休み中は教室が養蚕室)、養鶏(成鶏100羽、ヒナ100羽)、養魚、養豚、養蜂、蓄牛(大島より入荷した牛3頭が牛乳を提供)、緬羊、養兎などが行われ、塾生全員が1週間交代で飼育当番を担当していました。

養蜂
養蚕
蓄牛
緬羊

それ以降、現在のK-12経塚校舎(旧低学年校舎)ならびにK-12中央校舎(旧高学年校舎)の近くや経塚山(三角点)には牛や羊、豚、鶏などが飼育されていて、そのための小さな畜舎が点在していました。このようにキャンパスの広範囲で動物が飼われていました。

1956(昭和31)年11月の玉川学園案内図
1963(昭和38)年11月の高等部案内図

2.学内牧場

1964(昭和39)年頃に、現在のFuture Sci Tech Lab付近(上の高等部案内図の牛の絵が描かれている場所)にあった牛舎を、現在のフードサイエンスホールの道路向こうの位置に移転。木造のキング式牛舎として生まれ変わりました。牛舎の他には豚舎が2棟、鶏舎が1棟、緬羊舎が1棟、実験飼育舎が1棟ありました。

昭和43年
昭和53年

『玉川大学農学部60周年記念誌』に、1970年代の学内牧場の様子が次のように記述されています。

その頃の牛舎の南斜面はクヌギ林で、尾根向こうに8号館(旧工学部)、その北側が工学部実験棟や工芸館、大型焼却炉が並び、その間の谷間に水田があり、今の記念グラウンド、記念体育館あたりから奈良町の水田、谷戸へと続いていた。
牧場はこうした地形の南斜面を林間放牧場地として利用していた。当時は常時搾乳牛5頭、育成牛を数頭飼育していたので、朝搾乳を終えた親牛や育成牛は放牧され、牛達は木柵で囲われた尾根の南斜面を水田沿いに、いまの記念グラウンド近くまで行動していた。夕方の搾乳時間近くなると学生達の呼び声に、尻尾を立てながら活きよいよく斜面を駆け上がり、牛舎横のパドックに集合し、搾乳と同時に行われる給餌を待ち望む、微笑ましい光景が繰り返されていた。

学内牧場では、牛、豚、羊、山羊、馬、鶏などを飼育していました。

1976(昭和51)年頃の農学部エリア

1984(昭和59)年に、古くなった木造の豚舎、緬羊舎、実験飼育舎が建て替えられました。
学生宿泊舎も豚舎に併設されましたが、その2~3年後に宿泊実習は終了となりました。

創生期からこのようにさまざまな動物を飼育してきましたが、残念ながら近年の諸事情により、牛や豚などの飼育は、現在では行っていません。

3.写真で見る「玉川学園キャンパスで飼育されていた動物たち」

4.写真で見る「その他玉川学園キャンパス内に生息する動物たち」

起伏にとんだ多摩丘陵に広がる玉川キャンパスは緑豊かで、聖山・経塚山(三角点)・東山といった丘や玉川池・奈良池といった水場、さらには農場があり、チョウゲンボウ、アオゲラ(キツツキ)、カワセミ、メジロ、ハクセキレイ、カルガモ、タヌキ、ハクビシンなど数多くの動物が暮らしています。

参考文献

  • 小原國芳著『玉川塾の教育』 玉川大学出版部 1948年
  • 小原芳明監修『全人』第826号 玉川大学出版部 2018年
  • 『玉川大学農学部60周年記念誌』 玉川大学農学部 2013年
  • 玉川學園五十年史編纂委員会編『玉川學園五十年史』 玉川学園 1980年
  • 玉川學園五十年史編纂委員会編『玉川學園五十年史(写真編)』 玉川学園 1980年