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玉川豆知識 No.162

弟子屈農場でのブドウづくり

北海道弟子屈農場では約10年前から醸造用ブドウの「山幸」と「清舞」を試験栽培しています。

1.玉川大学北海道弟子屈農場

玉川大学北海道弟子屈農場は、阿寒国立公園内にある摩周湖と屈斜路湖のほぼ中間に位置し、雄大な自然に囲まれた施設で、本学がこの用地を取得したのは1972(昭和47)年のことでした。弟子屈農場の誕生以来約50年にわたり、主に農学部が「全人教育」の理念に基づくフィールド実習の場として利用。肥育牛の飼育、ソバ、ワイン用ブドウの栽培、造林が行われるほか、演習林やその周辺ではエゾシカ、エゾリス、キタキツネなどの動物もおり、豊かな自然環境の中での生態系研究フィールドとして、主に農学部生の農場実習、卒業研究等の拠点となってきました。学生たちは、畜産や寒冷環境でのブドウ栽培、亜寒帯の生態系など地域性を生かした農業や自然環境を学んでいます。

2014(平成26)年には農場内に宿泊機能を備えた美留和晴耕塾が竣功され、農学部のほか、多くの生徒や学生の教育、研究の場としての活用が期待されています。2015(平成27)年5月には、本学の持つ教育・研究的資産を地域社会の発展や人材育成に向け発信することを目的に、学校法人玉川学園と弟子屈町が「包括連携に関する協定」を締結しています。

2.弟子屈農場でのブドウづくり

今から10数年前に弟子屈町から委託を受けた醸造用ブドウの試験栽培が始まりました。『全人』第809号(2016年10月号)に次のような記述があります。

弟子屈町から委託を受けた醸造用ブドウの試験栽培も、7年目を迎えた。気温が15~20度になる6月中旬ごろから花が咲き始めて結実し、10月中旬に収穫となる。かつて醸造用ブドウの栽培には寒すぎるといわれた北海道だが、近年では地球温暖化の影響でそれが可能になり、今では生産量日本一のワイン王国として呼び声が高い。
北海道弟子屈農場で栽培されているブドウは「山幸」という品種。「十勝ワイン」で有名な池田町ブドウ・ブドウ酒研究所が耐寒性の強い品種をつくるため、醸造用品種「清見」とヤマブドウを交配育種したものだ。色が濃く、ヤマブドウを超えるといわれる渋みや深みのある味わい、そしてヤマブドウから引き継いだ酸味の強さが特徴的で、熟成が進むにつれ、よりおいしいワインへと変化する。

このように弟子屈農場では、ワイン用のブドウ栽培の研究が行われています。2021年10月下旬にスタッフで収穫したブドウは、卒業生が経営する東京初のワイン醸造施設「東京ワイナリー」で試験醸造を開始しました。

弟子屈農場のブドウづくりについて、『全人』第869号(2022年3月号)に次のように記されています。

学外施設のひとつ、北海道弟子屈農場では約10年前から醸造用ブドウの「山幸」と「清舞」を試験栽培しています。このブドウを使い、卒業生の営むワイナリーで試験的な醸造が行われてきました。2015年には9,000㎡の圃場を新たに整備し、21年秋、初めて同圃場でブドウを収穫。今後は、農学部生産加工室と協力し、さまざまな加工品の可能性を探ります。

参考文献

  • 小原芳明監修『全人』第869号 玉川大学出版部 2022年
  • 大宮正博「玉川の仲間たち ブドウ」(『全人』第809号 玉川大学出版部 2016年 に所収)

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