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玉川豆知識 No.35

一画多い「夢」

この「夢」の文字は、“夕”の部分が一画多くなっています。玉川学園創立者小原國芳は、一画多い夢の文字に「大きな夢を持ってほしい」「一つでも多くの夢を持ってほしい」という願いを込めていました。

小原が生涯最も多く書いた書の一つが、この一画多い「夢」の文字でした。
「私の最も好きな言葉にVision(幻)という言葉と、Dream(夢)という言葉がある」と小原は書き残しています。

小原は、高校、大学の卒業生全員に色紙あるいは
掛軸を贈っていました。(写真は1971年に撮影)

この一画多い「夢」の文字は、玉川学園の校章などとともに、特許庁よりサービスマーク・商品商標としての許可を受けています。

なお、鹿児島県南さつま市坊津町久志のお墓の入口には石碑が建っており、表には「新教育の開拓者小原國芳 信子ここに眠る」、裏には一画多い「夢」の文字が大きく彫られています。お墓は、小原誕生の地から徒歩約8分(約700m)の久志漁協の裏の高台にあり、海に向かって建っています。

<参考>

小原は大きな夢をたくさん抱き、その実現に向けて取り組んでいきました。たとえば、その夢の一つが学園の建設でした。
成城学園の誕生

小原が牛込原町にあった成城小学校の主事として、1921(大正10)年8月に「全人教育」を提唱した翌年の4月、成城小学校と同じ学風をもった成城第二中学校を新設しました。しかし、その翌年、関東大震災が起こりました。そこで郊外に移転地を探すことになりました。小原は今の成城学園がある当時の北多摩郡砧村喜多見の高台の土地を購入。その際に小田急電鉄に対して、土地購入に協力し、駅名を学校名と同じにすることと、急行電車を停めるということの二つの約束を取り付けました。さらに小原は購入した土地145,000平方メートルのうち、50,000平方メートルを学校の敷地として寄付し、残りの95,000平方メートルを住宅地として売却し校舎等の建設の資金としました。こうして成城学園が誕生しました。

玉川学園の誕生

やがて成城学園に旧制高等学校ができると、帝国大学への入学を前提とした受験教育になっていき、小原の理想としていたものと離れていきました。調和のとれた人間形成を目指す学校を自らの手で一からつくり直したい。小原が「夢の学校」建設に着手したのは、成城高校の校長を務めていた42歳のときのことでした。小原が理想としたのは、「宗教を教育の根底におくこと」「労作教育の使命を果たすこと」「徹底した真人間の教育を行うこと」を重んじた教育でした。そして、1929(昭和4)年に玉川学園が誕生し、小原の描いていた夢の学校が現実のものとなりました。

石橋哲成著『小原國芳、全人教育の提唱、玉川学園・玉川大学の創立、そして工学部の設置』には、一画多い「夢」の文字について次のように記されています。

小原國芳は「夢」という字をよく書きました。「夕」のところには、点が1つではなく、2つあります。「大きな夢を見よ!」と。でも大きな夢、小さな夢とは何でしょうか。町工場の職人になるのは小さな夢だけど、大企業の社長になるのは大きな夢なのか、そういうものではありません。自分自身のために勝ち取った夢、これは凄いことですが、小原國芳にとっては、これも所詮小さな夢でしかないのです。自分がこうなりたいという夢を果たした上で、さらにそれを世間様にどうお返しするか、他人のためにどう働くか、これが実現したときが大きな夢だということです。「夕」のところに2つの点があるのは、自分のためにしっかりやり、自分の夢を叶えた暁にはさらに社会のためにも貢献できる、そういう夢を持って欲しいということなのです。・・・(略)・・・吉田松陰はこのように言っています。「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、ゆえに夢なき者に成功はない」と。

参考文献

小原國芳著『贈る言葉』 玉川大学出版部 1984年
石橋哲成著『小原國芳、全人教育の提唱、玉川学園・玉川大学の創立、そして工学部の設置』2016年
石田修大著『玉川学園 全人教育 夢への挑戦』 日経事業出版センター発行 2002年
学校法人玉川学園編『玉川学園創立80周年記念誌』 玉川学園 2010年
学校法人玉川学園編『玉川学園の教育活動』 玉川学園 2004年
玉川学園五十年史編纂委員会編『玉川学園五十年史』 玉川学園 1980年

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