新しいK-12のスタートと共に拡張・進化した玉川学園延長教育プログラム Extended School(後編)
玉川学園のリソースを最大限に活用した「講座」
放課後、学校にいながらにして習い事やスポーツ分野のスキルアップを図ることができる講座は、時間、コスト、そして園児・児童・生徒の安全面でもきわめて大きなメリットがあると言えます。
講座の大きな特色は、玉川学園の人的リソース、教育リソースを最大限に活用した講師陣と講座内容にあります。各種スポーツ、ダンス、音楽やアート、そろばん、毛筆などに加え、6年生以上では英検対策講座を開講。これは模擬試験も含む本格的な対策講座です。
*すべて過去の講座の様子
このうち「FC町田ゼルビアフットボールスクール」は、玉川学園がトップパートナー契約を結んでいる地元Jリーグチーム「町田ゼルビア」スポーツクラブのコーチが指導。現在のコーチは玉川大学卒業生でもあります。また、「レゴ®スクールサテライト 玉川学園」は、国際的なブロック玩具メーカーであるレゴ社(デンマーク)のサテライト校として、同社独自に開発した体験学習型プログラムにより思考力、想像力、創造力、チャレンジスピリットなどを養います。玉川学園は生徒の「玉川ロボットチャレンジプロジェクト(TRCP)」への参加などを通して、長年にわたりレゴ社と信頼関係を築いてきたことから、この講座が実現しました。
その他の講座に関しても、各分野で活躍している玉川学園の卒業生が講師を務めていたり、玉川学園の教育活動に理解の深い外部講師の方々との緊密な連携の中で実施しています。質が高く、高いセキュリティのキャンパスで実施される講座は、玉川学園が大切にしている「自学自律」の精神をベースにした主体的に取り組む姿勢を育む習い事といえるでしょう。
アカデミックサポートセンターES推進室島健太郎課長に講座の利用状況を聞きました。
「幼稚部園児の実に8割近く、1~2年児童の約7割以上がESを受講するなど、特に低学年においてES利用率は高くなっています。学校にいながら高いレベルの指導を受けられる講座や学ぶ姿勢が身につけられるSHについて、保護者の方々にも大変満足いただいています。今後も内容の充実を図るとともに、新しい試みも取り入れていきたいと考えています」
「ラーニング・コモンズ」と大学生メンター
今年度スタートしたばかりの6年生以上のESですが、SH教員や大学生メンターが常駐するK-12中央校舎の「ラーニング・コモンズ」の人気が高いそうです。
「『ラーニング・コモンズ』は、従来の学校の自習室ではなく、生徒たちに『ここで勉強するのがおしゃれ』と思ってもらえる環境づくりを行っています。まるで町中のカフェのようなテーブルとイスが並び、グループで学べるBUZZエリアと、集中して宿題やレポート、読書に取り組みたい人のためのブースを設けたSOLOエリアをその日の気分や目的に応じて使い分けることができます。利用にあたっては毎回その日の目標や勉強したいことなどを記す「学習シート」を記入します。入退室はQRコードによって電子管理がされ、「学習シート」のPDFファイルとともに保護者のスマートフォンなどに通知が届き、利用状況を共有しています」
大学生メンターは10人以上が登録されており、SHの時間内に毎日2名から4名が常駐。「ラーニング・コモンズ」の入り口近くにはメンターの写真入りプロフィールと自己紹介、得意分野(科目)などが記されたボードが掲げられています。難関大学の受験を突破したメンターは各科目の勉強法はもちろん、受験に向けたスケジュールの立て方なども具体的にアドバイスします。また、大学や進路などの相談に乗ってもらうときはBREAKエリアが最適です。おやつも提供しており、このエリアでとることができます。
「6-8年生の保護者からは、子供がSHで宿題を片付ける習慣ができ、家庭で『宿題終わったの?』と念押しをしなくなったために、家での会話がスムーズになったという声が寄せられました。ESを通してこのように保護者の方々の声が私たちに届き、家庭学習の改善が図りやすくなったことも良い変化です」
今年度の成果を踏まえて、2022年度からのESでは進路、大学受験に直結したSHや講座の活動を9年生以上を対象に充実させていくそうです。
放課後以外のESプログラムも続々と登場
ESでは放課後以外に夏休みなどを利用した講座・プログラムも企画しています。
今年は7月に1~5年生のES利用者を対象に、宇宙をテーマにしたプログラムを展開。プラネタリウム鑑賞や宇宙にちなんだ絵本の読み聞かせ、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と連携したプログラム 「JAXA コズミックカレッジ」を開催しました。コズミックカレッジでは、JAXAのふうせん飛行機のキットを使って、羽の付け方や重心の取り方など飛ぶメカニズムを学びながら、実際に飛行機をつくって飛ばしました。
さらに島課長によると、現在、玉川学園カナダ・ナナイモキャンパスでのプロジェクト学習型の海外研修、大学の研究室とのコラボ企画、8年生以上を対象とした宿泊型研修などを構想中。また、大学入試に直結した講座の開発も検討を進めています。