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2023年度に「リベラルアーツ学部」で「ダブルフィールド制」の新カリキュラムがスタート Vol.1

2022.03.18

学部長に聞く新しい「リベラルアーツ学部」での学び

リベラルアーツ学部長 渡邉正彦教授

玉川大学リベラルアーツ学部は、日本で初めて「リベラルアーツ」の名を冠した大学学部(創設当初は学科)です。社会の多様性が進み、複眼的な視野や物事を相対化する知性の獲得の重要性から、近年はますます大学における「リベラルアーツ」教育への注目が高まってきました。

私たちはこれまでの4領域・7メジャーで構成されたカリキュラムをあらためて検証し、社会動向を見据えながら、今の学生たち一人ひとりの可能性をしっかり開花させることができる教育体制の再構築を図りました。それが2023(令和5)年度からスタートする「Human」「Society」「Culture」「STEAM」の4フィールドから学生が2フィールドを選択する「ダブルフィールド制」新カリキュラムです。

創設以来、リベラルアーツ学部では、従来の大学教育の核であった一つの「専門分野」に絞ることなく、複数の学問領域をまず幅広く学び、一つの物事を様々な角度からとらえることができる能力の育成を図ってきました。その上で、学生が自分自身の学ぶ目的や目標をじっくりと決定していくプロセスを大切にした教育を実践。教員の親身なサポートのもとで一人ひとりの個性と可能性を開花させてきました。いわば玉川学園創設者・小原國芳が掲げた「全人教育」の理想を具現化したのが本学部の最大の個性でもあります。

そうした学部の根幹となるコンセプトはこれからも変わりません。今回の「ダブルフィールド制」新カリキュラム導入の目的は、学生がより複数の学問分野を選びやすくすることでした。たとえば、人間の心を追求する心理学という学問分野があります。一方で、私が専門とする文学や宗教も人間の心について探ってきました。それならば、それら複数の視点からアプローチすればいいわけです。もし一人の人間ではなく、人間の集団について知りたければ、社会学や国際関係の知見が必要になるでしょう。新しいカリキュラム改定の目的は、学生が一人ひとりの関心と目標に応じて、こうした複数の学問フィールドをこれまでより適切に選びやすくすることにあります。

そのため、まず1年次に「Human」「Society」「Culture」「STEAM」の4フィールドに含まれる各専門分野の教員から学ぶ「リベラルアーツ総合研究」という科目を春・秋学期を通して開講。各フィールド7回+7回の授業が開講されますので、それぞれのフィールドの学び一つひとつにじっくり取り組むことができます。また、並行して日本語と英語のコミュニケーション力とITスキルなども重点的に修得しながら、2年次以降に学ぶフィールドについて考えていきます。

2年次は、「リベラルアーツ総合研究」での学びも踏まえつつ、まず春学期の期間に自分がやりたいことに応じた1番目のフィールドを確定。次に他のフィールドの科目を履修しながら、それと組み合わせる2番目のフィールドを秋学期の期間に決定することになります。時間差を設けて2つのフィールドを選択することで、目的に応じた適切なダブルフィールド選択ができるようになるでしょう。

そして3~4年次にかけては「リベラルアーツプロジェクト」、いわゆるゼミでの学びとなります。このゼミ選択ですが、必ずしも自分が選択した2つのフィールドに即したフィールドに属する学問分野でなくてもかまいません。ダブルフィールドで養った知見をベースに、ゼミでまた異なる分野にチャレンジしてもかまわないのです。「リベラルアーツプロジェクト」の成果は、ダブルフィールドで身につけた複眼的思考と問題発見・解決能力を発揮して、卒業論文またはビジュアル、音楽、インスタレーションなどの作品制作としてまとめ、プレゼンテーションを行います。

今後はアフターコロナを見据えた国際交流プログラムの充実も図っていきたいと考えていますし、2年次以降の学びではインターンシップやボランティア、様々なフィールドワークなど「オフキャンパス・スタディーズ」の拡充を通して、実践的な問題解決能力養成と各自のキャリア・ビジョン形成を促すことにも力を入れていきます。もちろん、これまで通り日本語教員などの資格取得を目指す学生へのサポートも万全です。

シンガポール国立大学との交流
フィールドワーク
「北海道プロジェクト」
4年次「リベラルアーツプロジェクト」の成果を発表するポスターセッション

これまで20年近くリベラルアーツ学部が築き上げてきた教育のカタチ、すなわち4年間の学生の成長プロセスを通して、教員が懇切かつ親身なって指導しながら、それぞれの人間力を開花させていく教育スタンスはこれまで通り変わりません。それは前述した通り、玉川教育の原点である「全人教育」の理想の体現であり、本学部のアイデンティティとも考えているからです。
進化する「リベラルアーツ学部」に、ぜひご期待ください!

  • 後編は、新しく設置される4フィールドの担当教員が、それぞれのフィールドの特色と新しいリベラルアーツ学部での学びについて語ります)

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