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科学するTAMAGAWA 新しい教育に対応する日本初の研究コース

2016.02.23

玉川大学大学院 教育学研究科では、2014年4月に、
日本初となる「教師教育学研究コース」「IB研究コース」を設置しました。
いずれも、これからの新しい教育に対応できる人材を養成するコースとして、
大きな注目を集めています。
目的や特徴について、今回は教師教育学研究コースの担当教員にお話を聞きました。

「教師教育学研究コース」〜開設に至る背景〜

教師教育学を簡潔にいえば、「教師をどのように育てるのか」を考える学問のことです。「教師教育学研究コース」では、大学の教職課程を担当できる教員や、教師教育学の研究者などの養成を行っています。主な入学対象者は、学校現場の経験を持ち、将来、大学教員をめざす人たちです。

ではなぜ、そのようなコースが必要だったのでしょうか。教師教育学研究コースを担当する森山賢一教授は次のように説明します。

「2015年12月21日に出された、文部科学省 中央教育審議会の答申では、これからの学校教育を担う教員の資質能力を向上するためには、大学の教職課程の質の保証・向上が必要であると述べられています。玉川大学大学院でも、数年前からその問題について議論を行っており、そのためには、教職課程を担当する教員の質の担保が、重要であると考えてきました」

教員の質はどうすれば担保できるのでしょう。森山教授は続けます。
「教職課程を担当する教員は、教育学を専門的に研究する『研究家教員』と、教育現場で実際に教壇に立ってきた『実務家教員』の両者から構成されています。特に近年は、実務家教員の採用が増えてきているのですが、幼・小・中・高で教えることと、大学の教職課程で教えることの間には、大きな隔たりもあります。その隔たりを埋めるためには、実務家教員をめざす人に、教師教育学という学問領域や、高等教育の現場への理解を深めてもらう必要があると考えました。それにより、理論と実践を往還した“教師教育学の専門家”を養成することができるわけです。以上のことから、2014年に全国に先駆けて、教師教育学研究コースを設置したのです」

「教師教育学研究コース」〜授業内容とその特徴〜

教師教育学研究コースでは、具体的にどのようなことを学ぶのでしょうか。森山教授は話します。
「教師教育学は、大きく『教員の養成』『教員の採用』『教員の研修』の3領域に分かれます。教師教育学研究コースでは、そのすべてを網羅する科目が設置されています。例えば『教員の養成』でいうと、教職課程での指導方法を学ぶ『教師教育教授法研究』という科目が用意されています。また近年は、アクティブ・ラーニングの導入、外国語教育の充実、ICTの活用など、教育の現場は大きく変化してきていますので、そうした新しい教育の課題にも対応できるカリキュラムとなっています。さらに、教員の採用を担う教育委員会への理解を深める科目、研修等の制度について考える科目なども用意し、教員の養成・採用・研修を一手に担える人材の輩出をめざしています。近隣の教育委員会との連携にも力を入れており、委員を特別講師として招いての講義も行っています」

一方で、教師教育学という学問を推進できる研究者の養成も、このコースの目的のひとつです。

「教師教育学は世界的に見ても新しい学問であり、研究のさらなる深化が望まれています。そこで、世界各国の教員養成制度を比較研究しながら、日本の教員養成の特徴や、今後の教員養成のあり方を明らかにする『教員養成・研修制度研究』といった科目も開設しています。また、玉川大学には、教師教育学の研究機関としての側面をもつ『教師教育リサーチセンター』が設置されています。同センターでは、質の高い教員養成に向けた大学の取り組みや役割について考えるシンポジウム『教師教育フォーラム』の開催や、研究論文を掲載する紀要・年報の発行など、教師教育学の研究推進に努めています」

「教師教育学研究コース」〜教員養成の玉川だからこそ〜

森山教授は、教師教育学を専門に研究するコースが、日本で始めて玉川大学に設置されたことは、とても意義深いといいます。
「玉川大学は創設以来、つねに教員養成に力を注いできました。創立者・小原國芳も玉川教師訓『子供に慕われ、親たちに敬われ、同僚に愛せられ、校長に信ぜられよ』を残しています。そのような『素晴らしい教師を育てたい』という想いがあったからこそ、他大学に先駆けて、教師教育学研究コースの設置に至ったのだと思います。
現在、学校教育の役割や制度はめまぐるしく変化しており、それに伴い、教師に求められる資質もどんどん変わってきています。教師教育学研究コースでは、教師の養成・採用・研修の一体化をさらに推し進め、教師が生涯にわたって学び続けられる環境を、提供していきたいと考えています。

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