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玉川大学と川崎市教育委員会が連携した中学校英語2種免許プログラム ~大学で学び直しチャレンジし続ける先輩の声~

2018.04.04
岡上小学校の校長室で話される栗田先生

学習指導要領が改訂され、2020年度より小学校の中学年で「外国語活動」、高学年で「外国語科」が全面実施されることになりました。文学部英語教育学科では、川崎市教育委員会と連携し、現職教員が働きながら学べる「中学校英語2種免許認定通信教育プログラム」を2017年度から開講しています。本プログラムの受講者のひとりである栗田嘉也先生にお話しを伺いました。
栗田先生は、玉川大学文学部を卒業後、川崎市の小学校教員として教壇に立ち、現在は鶴川駅から10分程の所にある川崎市立岡上小学校の校長先生をされています。

~島まで一緒に泳ごう~

玉川大学の正門にある碑
人生の最も苦しい、いやな、辛い、損な場面を、
真先に微笑をもって担当せよ

「なぜ校長が学び直すのかと不思議に思う人もいるかもしれませんが…」と、初めに受講動機を話してくださいました。
外国語教育を小学校に導入し充実させていくためには、教員自身が英語力と英語指導力を身につけなければなりません。保護者の方から「小学校の先生が英語を教えられるのか」と指摘を受けたこともあるそうです。外国語教育の準備をしなければ…と思っていたところ、教育委員会から本プログラムの案内が届きました。自分が泳げないのに「あの島まで泳げ!」と部下に命令をして、見ているだけというのは良くない。遠い島まで自分も一緒に泳ごう。先ずは自分が努力して学んでみよう。自分が学べば、何かしら教職員に還元できるのではないかと考え、受講を決めたそうです。
また、「率先垂範することや共に学ぶことの大切さは、玉川大学で学んだのかも…」と、ふり返っていらっしゃいました。

~技能だけでなく体系的・科学的に学ぶ大切さ~

外国語教育への思いを熱く語る栗田先生
岡上小学校のウェブサイトに掲載されている
「校長室だより」

受講してみると、シェークスピアの文学などさまざまな側面から異文化に親しむカリキュラムが組まれていますが、日本語で学修することも多く「教壇に立つ立場であるならすぐに教室で使えることを学びたい」と考えたこともあったそうです。しかし学修を進めていくうちに学修した内容が点ではなく線になり、やがて面になっていくことに気づき、体系的に学問を修めることの大切さを改めて実感されたそうです。

いままでの英語というと、ネイティブに近づける学習という意識がありましたが、「異文化理解」の授業でネイティブのようにならなくて良いのだと知り、とても気が楽になったそうです。今や、英語を使用する人の8割はノンネイティブスピーカーで、英語は意志疎通するための手段なのです。欧米一辺倒ではない英語が受け入れられていることを知り、小学校で外国語教育を行うことの意味を改めて考えさせられたとのこと。その一方で、音声学ではネイティブに近い音声についても勉強し、英語教員として核になる英語を持つことも大切なのだと納得されたとか。「技能だけでなく科学的に学ぶことの大切さが分かった気がします。正直、英語の教員はこれほど幅広く深く英語について学んでいるのだとは知りませんでした」と苦笑い。このように大学で学ぶことの意味を再認識したとプログラムの魅力を語ってくださいました。

ご自身が学ばれたことを独自の視点と言葉で「校長室だより」で発信するようにしたところ、当初聞かれた小学校の先生が英語を教えられるのかというコメントや指摘を聞かなくなったそうです。校長先生自らが真摯に学び続ける姿勢や、学びに支えられた説得力あるメッセージが保護者に届いたのかもしれません。

  • 玉川大学では、世界中の人々と多様な場面でコミュニケーションできる“国際共通語としての英語(ELF :English as a Lingua Franca)”の力を養成することを目的とした独自の英語教育プログラムを導入しています。

~英語を使える環境づくり~

参加した人皆が笑顔になる“The English quarter”

岡上小学校では、外国語教育を推進する上で「英語を使える環境づくり」を心がけているそうです。「英語の音読をしていると、“格好つけている気がする“という人や、恥ずかしいのかカタカナ発音をする人がいるが、“英語を勉強することは格好つけることでも恥ずかしいことでもない”という環境をつくりたい。本校では川崎市の人権教育推進校として教室の中で子供達が失敗を恐れたり、傷ついたりすることなく、自由に考えを述べ、いろいろな人の考えを大事にしながら真理を求めて行けるような温かい授業実践をめざしてきました。外国語教育においても、“先生も子供達も恥ずかしがらずに英語を使える環境づくり”を大切にし、子供達が中学生になった時に英語で躓くことがないようにしたい」と、小学校長としての責任と子供達への思いを語ってくださいました。

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