地域の子供たちにサツマイモ掘り会を企画・実施~協働力を培う社会教育実習~

2018.12.20

社会教育実習では、プロジェクト活動を通して問題解決能力の育成を目指すPBL(Project Based Learning)のアクティブ・ラーニングを取り入れており、毎年、学生が主体的に考えた企画を実施しています。

2018年度の学生は、町田市の玉川学園子どもクラブ「ころころ児童館」の児童を対象に、「あつまれ たまころハンター!」というサツマイモ掘り会と、「たまころシェフの黄金料理」というサツマイモを食べ尽くす料理教室を企画実施しました。
今回は、サツマイモ掘り会のご紹介をします。イモ掘り会は、教育学部の中村ゼミの3年生が農学部の農場で育てたサツマイモを用いて、社会教育実習生が、児童館の協力を得て企画したものであり、総合大学だからこそできる社会に開かれた実践的な学修です。

企画のプロセス

児童館でボランティアをしながら、子供たちの様子を観察し、子供向けの企画の立て方を学び、何度も会議を重ね企画を練っていきました。また、企画を詰めていくと同時に、農作業の手伝いや、子供達が楽しめる小道具を作らなければならず、マルチタスクで大変でしたが、皆で協働することで、企画を実施するまでに至りました。参加学生の一人は「大変なこともあったが、苦労した分学べることがあり、失敗を経験した分、経験しなかった人よりもステップアップできたのではないかと思っています」と当時を振り返ってくれました。

児童館と何度も打ち合わせをして頂きました。
子供たちが来る前に、試し堀りをしました。
子供たちが楽しんでくれるように、小道具をたくさん作りました。

当日の様子

大学までの引率

児童館は、大学から歩いて15分位の所にあります。大学まで公道を歩いて来るので、子供たちに交通安全の注意をしたうえで、車道側を学生が歩いて引率します。

農場までの道のりを飽きさせない工夫

農場までの道のりが長いため、所々で教育学部の学生がクイズを出し、児童が農場まで楽しく歩けるように工夫をしました。しかし、クイズに夢中になると、子供たちは歩きません。子供たちが楽しみながら、安全に、早く農場に辿りつくように導くのは、なかなか大変でした。

教育学部の学生が出すクイズに答えながら、農場まで歩いていく様子
ベートーベンに興味津津
農場に着いたらクイズに正解したスタンプをもらえました。

サツマイモの特徴や掘るコツの説明

イモ堀りに入る前に児童たちにサツマイモのことを知ってもらおうと考えた学生たちは、なぜサツマイモをていねいに掘るのかということを手製のフリップで説明。さらにサツマイモは掘った時よりもしばらく置いておいた方が美味しくなるのはなぜか、なぜサツマイモの葉と朝顔の葉が似ているのかというようなことから、サツマイモの特徴について、農学部の有山先生にも教えて頂きました。

サツマイモをていねいに掘る意味の説明。
農学部の有山先生にサツマイモの説明をして頂きました。
はやく掘りた~い!

サツマイモ掘り

子供たちは2人一組になり、学生に手伝ってもらいながら、イモ掘りをしました。

表彰式

サツマイモをていねいに掘ってもらえるように、根の長さ競争をしました。

一番長い根はどれだ?
自分たちでも測ってみよう。
何センチかな~?
僕たちの根が一番長いよ!
優勝チームは児童館の館長先生から表彰されました。

児童館まで引率

帰りは、大きなサツマイモが入っているので、リュックが重いです。子供たちが児童館までしっかりと歩いて帰るように、学生が導きます。

無事に帰ってきたので、子供達は「たまころハンター」認定メダルをもらえました。

企画を終えて

企画をすべて終え、学生に話を聞きました。「企画書を書いていると、次第に『これはどういうことなのだろうか』『こうしないといけなのではないか』という、乗り越えねばならない壁が次から次へと見つかってきました」と全体を振り返ってくれた学生がいました。一つのことを成し遂げるのは、容易なことではないというのをこの授業を通じて体感できたようです。中には「企画立案での私の非現実的な発言は話し合いを停滞させてしまい、『自分の発言には実現性が欠けているのだな』と痛感させられました」と、仲間と話し合って新たな気付きを得られた学生もいました。
さまざまな課題を協働力で乗り越えてみると、「企画は、1人でするものではない。だからこそ、主要メンバーだけでなく、関わる人全員に報告・連絡・相談をする必要があるが、その認識が甘かった」とプロジェクトにかかわる全員が共通認識を持つことが大切であることも理解できたようです。「私自身、組織的に企画に取り組むことがはじめての経験で、意見の食い違いや進行速度に戸惑うこともあった。しかし、ひとりで物事を進めるよりも、大きなことが成し遂げられ、協力しながら行うことでチームワークの大切さを改めて気付くことができた」と多様性を活かすことの大切さを再認識し、「様々なイベントは多くの人との関わりがあって成り立つことを、自分たちで企画に取り組んでみてはじめて知ることができた」と社会にも目を向けるようになっていました。

社会教育実習を指導する中村香教授は、「社会教育を学んだ人には、学修成果を広く社会で活かし、多様な分野で人づくりや地域づくりに携わることが期待されています*。協働力を発揮し、それぞれの分野で活躍してくれることを願っています」と語っていました。

多様な課題が複雑に絡み合い、唯一の正解があるわけではない時代を生きていくためには、多様な人々を巻き込み、多様性から学び合い協働できる力が大事です。社会教育実習では、多彩な人々と協働し、一人では出来ないことを成し遂げる協働力を培う学修をこれからも展開しています。

  • 2020年度から施行される「社会教育主事講習等規程の一部を改正する省令」によると、社会教育主事養成課程を修了した人は「社会教育士(養成課程)」と称することができるようになり、NPOや企業等の多様な主体と協働し、人づくりや地域づくりにおける中核的な役割を担うことが期待されています。

関連リンク

2017年度:TAMAリンピック

2016年度:農場体験落花生の収穫

2015年度:卓球大会児童館歌の制作

2014年度:玉川探検

2013年度:お芋掘り会