ビジネス面から、サッカーチームの経営を考える。FC町田ゼルビアの大友健寿社長をお招きして12年生の特別授業が行われました。

2019.11.20

2009年にサッカーJリーグのFC町田ゼルビアとオフィシャルスポンサー契約を締結して以来10年間、玉川学園ではさまざまな連携授業を実践してきました。10月31日(木)には株式会社ゼルビア代表取締役社長の大友健寿氏が来校。12年生の選択授業「政治・経済セミナー」での特別授業が行われました。


昨年度も12年生を対象に、特別授業の講師として登壇した大友社長。本年度のテーマは「株式会社としてのゼルビア」です。「皆さんも知っているFC町田ゼルビアはJリーグのサッカークラブですが、それを運営するのは株式会社ゼルビアです」と大友社長は生徒たちに説明します。「では、そもそも株式会社とは何でしょうか?」という大友社長の問いに、さまざまな意見を口にする生徒たち。「会社とは利益を出すために人々が集まって作った集団なんです」と語る大友社長は、「たとえば玉川大学の大学生が、コスモス祭で焼きそばを売るなら?」という事例で生徒たちに説明を行いました。焼きそばの売り上げから材料などの経費を差し引いたものが利益で、「この利益を追求するのが、生産活動です。ゼルビアの場合、スポンサー、チケット販売、グッズ販売が収益の大きな柱となっています。その一方で人件費や遠征費、試合運営費などの経費がかかり、これらを差し引いたものが利益となります。サッカーなどのチーム経営は、一般企業と比較すると人件費に多くの金額がかかります」と大友社長。


「ただ、どの企業も同じですが、利益を出すことは容易ではありません」と、大友社長は話を続けます。ゼルビアのホームタウンである町田市周辺は、ライバルとなるJリーグの強豪チームのひしめくサッカー激戦区。さらに、週末のサッカー観戦と考えた場合、テーマパークなども強力なライバルとなるそうです。こうした中、まずはスポンサーを募り、集めた資金で補強を行い、強くなることで観客を集めていくことが重要になります。「健全な経営を求められるJリーグでは、3年連続で赤字を出すと降格するというクラブライセンス制度があり、過度な補強はできない仕組みになっています。さまざまな条件をクリアしつつ、クラブチームを経営していくのはとても難しいです」という大友社長の話を、生徒たちも真剣に聞いていました。
大友社長のお話の最後は、「ゼルビアの目指す姿」でした。「企業として、規模の拡大と同時にコンプライアンスの遵守、そして社会的責任の遂行などを行っていかなくてはいけません。そのためにまずやるべきこととして、新たなファン、サポーターの獲得を掲げています」。そしてJ1昇格、さらにはAFCアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)優勝を目指していきたいということでした。

大友社長のお話の後には、質疑応答の時間もありました。弓道部で活動している生徒からは「大学でスポーツビジネスを学び、弓道のプロスポーツ化を進めたいと考えています。まだマイナーな弓道を、どのように盛り上げたらいいですか?」といった具体的な質問があり、大友社長は「やはりどのスポーツも普及させることが重要です。子どもに興味を持ってもらうことから始めるといいのではないでしょうか」といったアドバイスがありました。また「チケットの価格はどのように決めていますか?」という質問には「最初に目標を立てて、席ごとに価格を決めています」との答えが。この他にも「誰か一人、選手を加入させられるとしたら誰を加えたいですか?」、「株式会社ゼルビアの社員数は?」、「FC町田ゼルビアのサッカーの特徴は?」など、幅広い角度から質問が寄せられましたが、大友社長はその一つひとつに丁寧に答えてくださいました。

玉川学園がスポンサー契約を締結した2009年は、まだJFL(日本フットボールリーグ)に加盟していたFC町田ゼルビア。それから10年でJ3、そしてJ2と、着実に高いステージへとステップアップ。2018シーズンは最終節までJ2優勝争いを演じるなど、次のステージに手が届くところまで近づきつつあります。2019シーズンはJ1ライセンスを獲得し、株式会社サイバーエージェントが筆頭株主となったことで、今後はビジネス面でも今までにないアイデアが生まれてくるのではないでしょうか。この日の特別授業でサッカーチームをビジネス面から捉えた生徒たちですが、これからのFC町田ゼルビア・株式会社ゼルビアの活動に注目すると、スポーツビジネスがより深く理解することができるでしょう。そんなFC町田ゼルビアを、玉川学園は今後も教育連携という形で応援していきます。

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