玉川学園「創立90周年記念式典 玉川の集い」
夢を拓く――未来へのチャレンジ――(前編)

2019.12.25

玉川学園は、1929年4月1日に創立され、2019年で90周年を迎えました。これを記念した式典「玉川の集い」を、2019年11月28日(木)に横浜アリーナにて開催。園児・児童・生徒・学生・教職員と、来賓・保護者の方々のご臨席をいただき、総数約1万2000人が会場に集いました。創立から90年の歴史を振り返り、新たに100周年に向けた第一歩を刻む機会となった催しです。

「なあ諸君、新しい教育をここから起こそうではないか」――と創立者の小原國芳は新教育への夢の実現を目指して、1929年4月1日に玉川学園を創立しました。同月8日に行われた開校式には、教職員18人と幼稚園、小学部、中学部、塾生など111人が参席。このわずかな人数で、寝食を共にして、雑木林を切り拓き、校舎や運動場を建設しながら、教育活動を行ってきました。
それから90年を経て、2019年11月28日(木)。横浜アリーナにて開催された、玉川学園「創立90周年記念式典 玉川の集い」では、玉川の歴史と伝統を確認し、次なる時代へ第一歩を踏み出す機会となりました。

当日、会場の外は冷たい雨が降っていましたが、会場内は園児・児童・生徒・学生・教職員と、来賓・保護者の方々、約1万2000人が集い、90周年を祝う華やかな雰囲気に包まれていました。式典プログラムは2部構成で、第1部は「序章 夢の始まり『玉川の丘の春』」でスタートしました。



会場に響く、鳥のさえずり。そして、四方を客席に囲まれたセンターステージのフロアには、小原國芳が描いた「ゆめの学校」。現在の玉川学園の風景に重なります。6年生男子の朗読で、「4月8日曇、この日こそ僕らの玉川学園がこの世に生まれた日である。……」と紹介。客席後方のスクリーンには、開校式の様子や国旗掲揚のシーンが映し出され、列席者全員で国歌を斉唱し、まるで90年前の開校式に参列しているかのような臨場感を味わいました。小原國芳は、開校式の最後をこう締めくくります。
「ここは東京からかなり離れているので、生徒が少ないと思っていましたが、このように多数の入学者があって、たいへん感謝しています。生徒諸君、この大自然に包まれていることを、喜んでほしい。しっかりとした体を作ること、清い心、朗らかな心、強い心、大きな望み、温かい友情を望みます」。
遠くから歌声が聞こえ、6年生25人と指導者が登場。指導者の周りに生徒たちが輪をつくり、祈りを捧げ、「おはようございます!」と元気な挨拶。指導者のかけ声に合わせて、体操が始まりました。今に変わらぬ、創生期の朝の一コマを紹介しました。
スクリーンでは玉川学園の誕生と夢を繋いだ90年の変遷が、代表的な出来事の写真で紹介され、歴史の証言者として、小原國芳の長女・藤井百合氏(94歳)と、卒業生であり元学園教諭・相坂レオノ氏(90歳)が、創生期の思い出を語りました。相坂氏は、学校の窓ガラスを壊してしまったら、壊した本人がガラスを窓枠の寸法に合わせて切り、はめ込まなければならないと話し、「やれることは、自分でやる」という、自律する心、責任感を養う教育方針に感銘を受けたとし、「得意なことはこれです、と言えるような人になってほしい」と後輩へメッセージを送りました。藤井氏は、「われこそは、という夢を花開かせ、世界で広めてほしい。それが私の夢です」と、若い世代を激励しました。

続いて、「玉川の響き『太鼓と邦楽による伝統の響き』」では、玉川大学芸術学科声楽専攻の卒業生・三代目杵屋佐喜氏の作詞・作曲「夢の丘~玉川太鼓 響奏曲~」を、芸術学部生・卒業生有志による玉川太鼓で披露しました。唄方の杵屋佐喜氏、三味線方の松永忠三郎氏、囃子方・鼓の福原百之助氏、笛方の鳳聲晴久氏による邦楽演奏と、勇壮な玉川太鼓の協演に来場者も聞き入っていました。
各界で活躍する卒業生からのコメント「おめでとう90周年」を、スクリーンで紹介。テレビ朝日プロデューサーの貴島彩里氏、映画コメンテーターの有村昆氏、長年国際交流をしているベルリンフィルハーモニー演奏家の各氏、俳優の藤田朋子氏、演出家の宮本亜門氏らは、学園での生活を振り返り、「全人教育」に基づいた、一人ひとりの「好きなこと」「長所」を伸ばす教育、つまり個性を尊重する教育を受けてきたと話しました。「学園でのさまざまな経験が今の仕事に活かされています。皆さんもステキな玉川ライフを送ってください。」と、在学生に向けてエールを送りました。

いよいよ、「本章」に入ります。「Part1 玉川っ子の彩典」では、ステージ上に幼稚部と1~4年生の子供たちが整列し、「コッコケコッコ 夜が明けた~」と輪唱が始まり、「玉川学園の1日は、歌に始まり歌に終わる」と例えられる、玉川っ子の日々の歌が披露されました。創立者・小原國芳は、「音楽」による精神的な基礎作りを提唱し、実践してきました。玉川学園では現在も、独自に選定した曲を集めた「愛吟集」を生活の中で友だちと声を合わせて歌うことで、自然と音楽に親しんでいます。合唱も学年を重ねていくにつれ、輪唱、2部合唱、3部合唱、混声4部合唱とより高度なものに挑戦しています。

ステージ上では卒業生であり作曲家の林あずさ氏が作詞・作曲した創立90周年を祝う「ハッピーバースデー」も披露されました。幼稚部の子供たちも、1~4年生の先輩たちと一緒に元気な歌声を響かせ、大喝采を受けていました。

スクリーンには、「おめでとう90周年」の学園内バージョンとして、幼稚部生から大学生までのメッセージが映し出されます。幼稚部生一同からのメッセージでは、園児が描いた小原芳明学長の似顔絵が、学長の特徴をよくとらえて、そっくりに描かれていました。園児一同が小原学長に「90歳、おめでとう!」と声を合わせたところ、学長は「学園が90年経ったのであって、先生は90歳ではないのよ」と苦笑いしながらも喜ぶほほえましい様子が映し出され、参列の方々の笑顔を誘っていました。また、2019年10月12日に開催予定の「創立90周年 記念体育祭」(雨天のため14日に順延するも、天候不良のため中止)の予行練習において、5~12年生が人文字「祝90」を、大学生が「玉川学園校章」を描き、大きな拍手が送られました。

「Part2 夢の交わり」では、本学園の吹奏楽団「ウインドオーケストラ(5~12年生・大学生の総勢160人)」が、作曲家・宮川彬良氏がこの式典のために作曲してくださった「NEXT VISION」を、宮川氏の指揮で初演。チアダンスチーム「グリッツ(9~12年生)」とダンスドリルチーム「ジュリアス(大学生)」が、エネルギッシュなダンスで、演奏を盛り上げてくれました。

「Part3 夢は世界を駆ける」では、創立当初からの国際交流の沿革と、2019年度の国際交流を紹介。創立者・小原國芳が示し、時代と共に受け継がれている「教育12信条」の一つに、「国際教育」があります。「地球はわれらの故郷なり」という広い視野と気概を持った国際人を育成するため、創立以来、多くの海外からのお客様を迎えるとともに、さまざまなプログラムで学生たちが海を渡っています。現在も年間を通して、海外提携校との国際交流や特色ある授業を行っています。スクリーンでは2019年度の国際交流を紹介しつつ、玉川学園の国際交流の歴史を振り返りました。また、オーストラリアの提携校の生徒とネット中継でリアルタイムに会話する演出もありました。

第1部を締めくくるのは、「新たな夢へチャレンジ」。オーケストラ(5~12年生・大学生)」と「ハンドベルクワイヤ(5~12年生・大学生)」の合奏で、中学年・高学年の生徒全員による「玉川版―Jupiter」を合唱。独唱では、12年生の代表と俳優の井上芳雄氏が朗々と歌い上げました。神秘的で壮大な曲は、玉川学園が次なる100周年に向けてチャレンジをスタートさせるにふさわしいものでした。

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