2020年4月利用開始のSTREAM Hall 2019の竣功式。翼モニュメントの除幕式も行われました。

2020.02.18

2020年4月から利用が開始されるSTREAM Hall 2019の竣功式と、施設内に設置される翼モニュメントの除幕式が、1月29日に行われました。

学園関係者や設計、建設関係者の皆さんが集まり、STREAM Hall 2019の竣功式が執り行われました。厳かな雰囲気の中、鶴間熊野神社の池田宮司によって修祓式の神事が滞りなく行われた後、小原芳明学長からの挨拶がありました。「近年、学際的な教育・研究に注目が集まり、その中でSTEM(Science、Technology、Engineering、Mathematicsの総称)という言葉が生まれました。現在はそこにArtsが加わり、STEAMが主流になっています。この建物もSTEAMを見据えて企画され、さらにRoboticsを加えて、STREAMという名称になりました。

またグローバル人材を育成する学修拠点のELF Study Hall 2015などと併せたこの一帯が本学の提唱するESTEAMエリアとなります。STREAM Hall 2019にはメーカーズフロアなどが設置されており、こうした環境の中で学生たちが何か新しいものを創り出すことを願っています。さらには修士の学生からスタートアップ企業が生まれてくれることを期待しています」。

竣功式終了後はSTREAM Hall 2019に会場を移し、モニュメントの除幕式が行われました。今回、施設内の吹き抜けを羽ばたくかのように設置されたのは、高等部の卒業生で美術家・坂上直哉氏の作品「虹にそまって」。この作品は羽田空港第1ターミナルに設置されていましたが、ターミナル改装に伴いその役割を終え、玉川学園に寄贈していただくことになりました。対となる作品「虹にむかって」は、既にUniversity Concert Hall 2016内のホワイエに設置されています。坂上氏の作品の特徴は、ステンレスによる彩色の技術を開発・使用している点が挙げられますが、まさにサイエンスとアートの融合であり、この施設にふさわしい作品です。

左から佐藤会長 小原学長 坂上氏

モニュメントの除幕は多くの人が見守る中、玉川大学吹奏楽団有志によるファンファーレの演奏と低学年4年生80名によるカウントダウン、そして小原学長と佐藤敏明学友会会長、坂上氏によって行われました。幕が引かれて作品が披露されると、大きな拍手が沸き起こりました。

「虹にそまって」
「虹にむかって」

さらに今回は学友会による在校生支援の一環として、4年生が坂上氏の作品からインスピレーションを受けて作詞・作曲に取り組んだ「翼の歌プロジェクト」の合唱披露も行われました。子供たちの作ったたくさんの曲の中から選ばれたのは、柏木美波さんの作品「夢にむかって」です。編曲は芸術学部パフォーミング・アーツ学科の卒業生後藤宏和さん、演奏は玉川大学管弦楽団有志の皆さん、そして歌のソロ部分は卒業生で女優の藤田朋子さんが担当と、まさにオール玉川での披露となりました。

除幕式終了後、STREAM Hall 2019の内覧会が行われました。これからの教育・研究に欠かせない異分野融合をめざすこの施設は、これまでにない特長を数多くもっています。その一つが、学部学科ごとにフロアを分けるのではなく、学部の垣根を超えイノベーションを促進させる構造です。中央部に吹き抜けを配しオープンスペースを確保することで、分野を超えた人や情報を集まりやすくし、また教室の壁もガラスを多用することで通路を移動する学生たちの興味をかき立てます。この吹き抜けは異分野融合だけでなく、自然採光や自然通風も促進させるなど、環境に配慮した設計にもなっています。

また、2015年の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)の中の、6つのゴール(3:すべての人に健康と福祉を、4:質の高い教育をみんなに、6:安全な水とトイレを世界中に、7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに、8:働きがいも 経済成長も、9:産業と技術革新の基礎をつくろう)を重点目標としても設計されています。これから什器設備を整え、いよいよ4月から利用が開始されます。

[STREAM Hall 2019 フロア概要]

1F

モノづくりの拠点となるメーカーズフロアを設置。PCや3Dプリンタ、各種工作機械などが揃っており、工学部だけでなく他学部の学生も利用することができます。

2F

「ロボットラボ」、「イノベーティブラボ」、「クリエイティブラボ」などが設置された、多様なモノづくりの融合が行われるフロア。1Fから続く広い階段スペースは「プレゼンテーションステップ」として、大学教育棟2014内のアカデミック・スクエアのような活用が期待されています。

3F

PCを備えた「プロジェクトスタジオ」のほか、「デザインラボ」、「プログラミングラボ」など実験室が入るフロアです。また広めに取られた階段の踊り場は「シェアアイデアスペース」として、移動しながら新しいアイデアと出会うきっかけを作ります。

4F

工学部の教員研究室が設置されます。中央階に設置することで、学生が立ち寄りやすい立地となっています。また通路部分に設置された「オープンゼミスペース」は、研究発表など自由に使える空間です。

5F

学生や教職員同士の交流による異分野融合のイノベーションを促すため、「プロジェクトスタジオ」と「実験室」を混在させたフロア。広い通路部分は自由に使えるオープンスペースで、実験の合間に気分転換ができる「モードチェンジエリア」となっています。

6F

かつてこの場所にあった「りんどう食堂」が、「Cafeteria Rindo」として生まれ変わりました。西側と南北の三面に広く取られた窓からは、横浜方面のビル群や足柄方面の山並みを一望することができます。ここには「学生たちがさまざまな視点で発想を広げてほしい」という想いが込められています。

この他にも聖山プロジェクトで伐採した木材をルーバーとして室内で再利用したり、オープンスペース部分には室内緑化ができるスペースを設けたりと環境面にも配慮。外装の三角形ルーバーも単なるデザインではなく、環境負荷低減を図りつつ光や風を効果的に取り入れるため、シミュレーションによって角度や大きさを設定して配置しています。さまざまな省エネルギー手法を採用することで、一般的な理系大学校舎と比較すると、約30パーセントの一次エネルギーの消費量削減に。将来的には約50パーセントの削減をめざします。

また坂上氏の作品以外にも建物全体に芸術作品が展示されており、外装のルーバーに開けられた孔は全人教育の6つの価値「真・善・美・聖・健・富」を意味するラテン語のモールス符号がモチーフになっているなど、随所に玉川学園らしいこだわりも。小原学長が竣功式での挨拶の際、「オヤジさん(創立者・小原國芳)なら、説明に2時間や3時間かかるだろう」と話していたほど、多くの特長を持つ施設です。

伊達冠石
建物外広場に設置
久志ガラス
6階 Cafeteria Rindoに設置
美術陶板
「ヴァティカンの宗教裁判所に引き出されたガリレオ(1632年)」
1階ピロティに設置
「バベルの塔」

2階廊下に設置

キャンパスの比較的高い場所に位置し、松陰橋からもよく見えるSTREAM Hall 2019。玉川学園の新たなランドマークとなるだけでなく、玉川大学のこれからの教育・研究のあり方や方向性を指し示す、重要な存在となるに違いありません。

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