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今年度は〝リアルタイム〟オンライン開催した「5大学+α対抗プレゼンバトル2021」

2021.07.28

2021年6月26日(土)、玉川大学工学部マネジメントサイエンス学科の「大学対抗プレゼンバトル2021(以下、プレゼンバトル)」がオンラインで開催されました。このプレゼンバトルは同学科の3年次に開講されている必修科目「ビジネスコンテンツ」の一環として開催されるもので、同じくビジネスで通用するプレゼンデーション能力の育成に力を入れている他大学のチームとともに、与えられたビジネス課題に対する解決プランを考え、発表するというイベントです。昨年度に引き続いて今年度も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からオンライン開催となりましが、前回はあらかじめ収録した動画によるプレゼンだった前回とは異なり、今回はリアルタイムのオンラインプレゼンを実施することができました。今回参加したのは玉川大学・専修大学・淑徳大学・東京国際大学・麗澤大学の5大学と、チャレンジ枠として都立晴海総合高等学校から高校生チームも参加しました。晴海総合高等学校は2018年度のプレゼンバトルにも参加し、見事優勝を勝ち取った実績があります。

例年、企業から提示されたビジネス課題についてチャレンジしていましたが、今回は、コロナ禍で事業継続に大きな影響を受けている「個業」に着目。「コロナ禍の『個店』を支えるビジネスプランを構築しよう」をテーマにビジネスプランづくりを競いました。
テーマは開催1か月前にプレゼン参加者に提示されました。今回、学生のアドバイザーとして参加いただいた株式会社コミューナ マーケティングディレクターの笠間 建 氏にオリエンテーションをしていただきました。笠間氏は東日本大震災後の様々なニーズやプロジェクトに対応するため仲間と株式会社コミューナを創業し、多くの地域活性化プロジェクトに取り組まれています。まさに現場の最前線で肌において、感じたことをお話しいただくことで学生たちにこの課題への向き合い方のヒントをいただきました。その後学生たちは短期間で企画案をまとめ、必要な調査や取材、コンテンツ制作、プレゼンリハーサルなどをスケジューリングしていきました。本番に間に合わせるためのタイムマネジメントも大きなポイントです。各チームの企画概要はプレゼン前日までにA4一枚にまとめて提出する必要があり、ぎりぎりまで調整が続いていました。
プレゼンの審査員には参加大学の教員や学生のほか、ゲスト審査員として笠間氏と、ミシュラン・ビブグルマン選出の人気店「池尻餃子.」のオーナーである作家のせがわきり氏もお迎えました。

プレゼンバトル当日はオンラインという環境ながら、各チーム熱のこもったプレゼンが披露されました。6チームの発表が終わり、審査へと移ります。独自性や新規性、実現可能性などとプレゼンテーションの出来を加味して審査が行われ、最優秀賞は麗澤大学が獲得。ゲスト審査員の「せがわ賞」として専修大学、「笠間賞」には都立晴海高等学校が受賞しました。審査員講評では、いずれも大学生らしい発想で甲乙付けがたい提案・プレゼンであったこと、その中でも最優秀賞の麗澤大学は「自分ごと」として支援策を練り、実現に向かって継続的に取り組んでいる点が高く評価されました。

以下、参加11チームのプレゼン内容をダイジェストで紹介します(当日発表順)。

1.東京国際大学 商学部 奥倫陽ゼミ選抜チーム

地元産の醤油でエクスペリエンス(体験)戦略を

大学から近い埼玉県川越市と川島町にある創業200年以上の伝統を有する「笛木醤油株式会社」の支援策を提案。日本人の誰しも身近な存在である醤油だが、中小メーカーは大幅に減少しているのが現実です。そこで川越地域が外国人にも人気のある観光スポットである地の利も活かしながら、醤油のエクスペリエンス(体験)戦略として、外国人や子供も対象とした「醤油マイスター・システム」「醤油テイスティ・アクティビティ」「醤油イノベーション・プログラム」などを展開。遊びと学びの要素から醤油の新しい価値を創造し、世界+地域+個店の持続可能な共進化を進めていく……学生たちの地元愛にあふれたプレゼンが印象的でした。

2.玉川大学 工学部 小酒井正和講義選抜チーム

店内の状況を見える化するアプリ「Halook」

コロナ禍で飲食店などでは通常の営業が難しい環境のなかで、従業員の雇用を維持できないことも。アフターコロナでは、新規採用者への教育をしながら、営業も続けなくてはならないということも考えられます。そのような状況下で重要なのはオーナーと従業員の意思疎通とモチベーションの維持です。客と従業員の動きをリアルタイムで〝見える化〟するアプリサービス「Halook」を提案。ちなみに「Halook」のネーミングは飲食店の客席がある空間のことを意味する「Hall」+見るの「look」です。オーナー・管理者にとって店舗内全体の動きを把握でき、従業員への指示の手間も軽減。従業員にとっては自分が今すべき仕事がわかり、ストレスも減る。アプリサービスは「共有システム」「シフト確認&タイムカード」「業務マニュアルのテンプレート」が含まれており、これらの組み合わせで店舗のニーズにあったサービスプランを提供することができるという内容でした。

3.専修大学 商学部 岡田穣ゼミ選抜チーム

サイクリング客が集うカフェで「KASHA」!

千葉県柏市の手賀沼は、田園風景を満喫できるサイクリングロードで人気が高い。その手賀沼のほとりでご夫婦が経営する「手賀カフェ」の課題解決をテーマに4つのプロジェクトからなる「KASHA」を提案。まず店に車輪付き花壇を置き、客が好きなアングル・背景で記念撮影できる「華写(KASHA)」、店におしゃれな自転車ラックを設置する「掛車(KASHA)」、地元野菜などを使用した記念日用予約限定ケーキのサービス「菓車(KASHA)」、そして客が貸し出したチェキで撮影した写真に店へのメッセージを記す「架謝(KASHA)」。これらのプロジェクトで地元常連客と遠方からのサイクリング客両方の満足度を高め、顧客と店のつながりを深めて店主のモチベーションアップを狙うプランでした。

4.都立晴海総合高校 高校有志チーム(小出和代教諭)

地元「もんじゃ屋」を救う「フライパンもんじゃ」

「〝晴海〟らしいプレゼンをめざそう」と高校に近い月島名物の「もんじゃ屋」を救うことをテーマにした発表を行いました。メンバーは人気店の「もんじゃ風月」を訪れ、コロナ禍で客足がなかなか戻らない店の現状や店内のサービスについてヒアリングしました。そこから現在の店舗を極力活かし、コストがそれほどかからないリニューアル策として「フライパンもんじゃ」を提案。これまでのテーブルの鉄板に代わり、一人用の鉄製フライパンでもんじゃを提供することで、「食の安全」「収益力アップ」「新たな顧客層の確保」を狙う。教室をもんじゃ店に見立てた寸劇を交えたプレゼンは他の参加者や教員たちの心を和ませ、プレゼン内容や取り組み方も高評価を得ました。

5.淑徳大学 総合福祉学部 永井大樹ゼミ選抜チーム

「自動車部品・用品店」の顧客を育てる支援策

教員をめざす学生の「チーム教職」として、あえて学校教育との接点が薄い「自動車部品・用品店」を課題として選びました。支援策には交通安全の意識が高い顧客を育てるという教育の視点を取り入れました。コロナ禍において「サマータイヤの交換を我慢する顧客へのアプローチ」「運転の安全を優先する顧客を育む経営方針」という2つの柱のもと、「タイヤ摩耗リスク動画作成」「車検未満のマイカーチェック」「コロナ終息を見越したタイヤ交換のボーナス払い」などの具体策を提案しました。これらの支援策には大学キャンパスのある千葉県の道路事情や実際の店舗オーナーの声を反映させています。

6.麗澤大学 経済学部 近藤明人ゼミ選抜チーム

ガバメントクラウドファンディングによる「ふるさと花火」

大学キャンパスがある千葉県柏市で明治後半から100年以上続く家族経営の花火店「高城煙火店」を対象にした地域密着型の支援策「ふるさと花火」に取り組みました。昨年はコロナ禍により首都圏の花火大会は軒並み中止となり、高城煙火店の売り上げも激減した。そこで行政(市役所)と連携したガバメントクラウドファンディングを実施し、アプリケーションを使って個人やグループが直接高城煙火店にオリジナルの花火の製造から打ち上げまでをオーダーできるサービスを考案しました。クラウドファンディングの支援者はオリジナルデザインの花火をオーダーでき、アプリを通じて打ち上げた花火の動画を見ることができるシステムも検討。行政が関わることで税控除などのメリットも出てきます。すでにアプリ制作も進んでおり、プランの実現に向けて動き出しています。

今回参加した玉川大学のメンバーに聞きました。

  • いずれも工学部マネジメントサイエンス学科3年生(順不同)

大貫葵子さん(発表者)

今回の提案は私の過去のバイト体験がアイデアの元になりました。そこにメンバーのアイデアを集めて、ある程度規模の大きな飲食店を想定したアプリサービスを考えていきました。他大学のプレゼンを聞くことで様々な刺激が得られたことも良かったです。私は教員志望なのですが、今回培った経営への視点は学級経営や学校経営にも活かせると思います。

海内東健さん(発表者)

準備期間が決して長くなかったにもかかわらず、プレゼン自体はうまくできたと思います。事前に時間を計り、話すスピードにも気をつけながら発表しました。今回のプレゼンバトルへの取り組みによって、個人的には多面的に物事を見る大切さを学べました。将来、どのような仕事をするにせよ、これは大切なことですよね。

山田怜さん

私はA4のペーパー1枚にまとめるプレゼン概要を担当しました。プレゼンで言いたいことはたくさんあるのですが、それをコンパクトに、過不足なくわかりやすくまとめるのはなかなか苦労しました。プレゼンも含めて説得力を持たせるためのデータをうまく使うことを心がけました。

元田駿亮さん

プレゼンバトルの取り組みを通して、経営への視点を養い、ビジネスプランづくりのプロセスを体験できたことは大きな成果でした。もちろん我がチームが最優秀賞に選ばれたかったのですが、麗澤大学のプレゼンを聞いて素晴らしいと素直に感心できました。その他大学の発表からも、様々な新たな知見を得ることができたと思います。

野見山瑠奈さん

今回のプレゼンバトルを終えて、「やはり足を使って、多くの人に話を聞いたチームの発表は面白い」と感じました。また今回のテーマでは特定のお店の課題を取り上げて、オーナーなどの話をじっくり伺い、実現性の高いプランを提案した大学が強かったとも思いました。来年は今年の反省を踏まえ、後輩たちに優勝目指して頑張ってもらいたいですね。

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