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脳科学の次世代リーダーを育成するHuman Brain Science Hallが完成。その竣功式が執り行われました。

2021.11.04

10月4日(月)、Human Brain Science Hall(以下、HBSH)が完成し、その竣功式が執り行われました。この建物は学内に分散されていた関連研究施設を統合したもので、「人間」の本質の理解をめざす「総合人間科学(ヒューマンサイエンス)研究拠点」です。ヒューマンサイエンスに関連する知の集約化により知的生産性と革新性を高めるラボをめざしています。

HBSHはL字型形状で、最新の研究設備を整えた「研究ゾーン」、教員間の交流を促すため施設関係者の利用諸室を集約した「研究室ゾーン」、展示機能や研究者同士の交流の場となる「教育・交流ゾーン」に分かれています。隣接する研究センター棟やFuture Sci Tech Labとともに学術研究エリアを形成し、HBSHはこのエリアの「顔」となり、外部の方との交流の場としての役割も期待されています。
建設工事は昨年の4月に始まり、約18カ月をかけて完成。新たな学問を研究する施設ということもあり、仕様変更にも耐えられるよう建築工法も工夫されています。

竣功式当日は竣功の晴れ舞台にふさわしく雲一つない青空の下での開催となりました。竣功修祓式は1階のレクチャールームを使って出席者を限定して行われ、その他の関係者はリモート参加に。笙の音が響く中、鶴間熊野神社の池田宮司による神事が厳かに執り行われ、続いて小原芳明学長から挨拶がありました。
「この施設での研究で対象となるのは、私たちの脳です。近年は、脳科学の研究成果を踏まえた商品を目にする機会も増えました。このように脳科学は私たちの生活に密着したものであり、各国で競い合うように研究が進められています。私たちもそれに負けぬよう、この施設で研究を進めていければと願っております」。
修祓式終了後は出席者全員で館内を見学し、竣功の記念品として玉川大学教育博物館の柿﨑博孝客員教授が研究しているダマスカス鋼の技法を使って製作した「Moebius Loop」が配られました。

脳科学は、21世紀に飛躍的な発展が見込まれており、その成果は研究面のみならず、経済や教育、医療などへの貢献が期待されています。そしてこの研究の基盤となるのが、人文・社会科学で培った豊かな知識と、先進技術を駆使した自然科学研究との連携による融合研究。これにより、はじめて科学的な解釈が可能になります。HBSHは玉川大学の各学部やK-12との研究連携、国内外の研究機関との学外連携が行える「開かれた研究拠点」としてこの分野に挑戦すると同時に、脳科学研究をリードする次世代リーダーの育成を目指していきます。

Human Brain Science Hall フロア概要

1階

高低差のある傾斜地形のため、2つのフロアを有しており、エントランスのある西側は展示スペースやレクチャールームなど外部と交流するエリアに。一方、1.34メートル高い東側には研究機能を集約。MRI撮像室には、3.0テスラと診断性能が格段に向上した機器を設置。刺激、計測装置も有し、さまざまな実験に対応できる環境となっています。

<MRI撮像室>
<レクチャールーム>

2階

多目的実験室、生化学解析室、視線計測室や研究員室を配したフロア。多目的実験室は間仕切りを外すことで多数での使用も可能です。

<コミュニケーションエリア>
<研究員室>

3階

さまざまな測定ができるシールドルームを設置した「生理実験計測室」、行動実験を行うためのブースが10室設けられた「社会心理実験室」、そのほか、「心理実験室」や「教員研究室」で3階は構成されています。

<社会心理実験室>

安全に配慮した新構造

吊り天井を廃し、設備を床下に納める逆梁工法を採用。地震時の天井材の脱落を防ぎ、研究員の安全や実験機器を損壊から守ります。また負荷熱が大きい窓側には、床下から吹き出す空調システムを採用。効率的な室温維持に貢献する設計です。これらの工夫は将来、間仕切壁を変更する際にもフレキシブルに対応ができるよう大規模な改修ではなく、持続可能な更新を可能にします。

SDGsへの積極的な取り組み

HBSHではSDGsが目指す17の国際目標のうち、6つのゴールを重点目標として取り組んでいきます。
[4 質の高い教育をみんなに]快適な室温環境を生み出す床吹出空調を採用、[5 ジェンダー平等実現しよう]1階ロビーに多目的トイレを設置、[6 安全な水とトイレを世界中に]水資源の有効活用を図るため、節水型衛生器具を採用、[7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに]自然の力を利用し、熱負荷低減のため室内外の温度差で効率的な換気ができる窓を採用、[8 働きがいも経済成長も]生体リズムに合わせて色温度や照度を自動調節するサーカディアン照明を採用、[11 住み続けられるまちづくりを]景観と耐候性を追求したメンテナンスフリーの乾式レンガタイルを外装に採用。

感染症対策を徹底

新型コロナウイルス感染症対策として、共用部には自然換気システムを導入。エントランスの風除室には手洗い器を設置しました。また1階ロビーの受付上部には、人体に有害な波長をカットし、有人環境でも使用可能な抗ウイルス・除菌技術「Care222®」を搭載した紫外線照射装置を設置。この他にも手が触れる機会の多い部分に接着した銅繊維シート、個室ブースに設置した光触媒除菌機、活性酸素を発生させる光触媒塗装などで、利用者の安全・安心の確保に努めています。

<手洗い器>
<紫外線照射装置>

柿﨑博孝客員教授の「Moebius Loop」が竣功記念品に

竣功記念品は、無限の可能性や永遠などに例えられるメビウスの輪をモチーフに、教育博物館の柿﨑博孝客員教授が製作。銀と銅の板を交互に組み合わせて溶接し、16層にも及ぶ蓄積地金を作ります。その後何度も打ち延ばすことで、包丁に見られるようなダマスカス模様を浮かび上がらせた作品です。すべて柿﨑教授の手作業で行われたため世界で一つだけの模様が浮かび上がっています。台座のサクラには、玉川の丘の間伐材を使用しています。

<Moebius Loop>
<制作の様子>

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