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沖縄県伊江島との教育連携によるサンゴ養殖プロジェクト。この夏は生徒自身が沖縄を訪れ、育てたサンゴを移植しました。

2022.08.23
移植の様子

玉川学園高等部・中学部のサンゴ研究部(クラブ活動)・自由研究サンゴのグループは、沖縄県伊江島海の会と連携し、サンゴ養殖を行うプロジェクトに取り組んでいます。このプロジェクトは伊江島海の会・国際航業株式会社・西松建設株式会社の支援を受けて昨年スタートし、今後5年間にわたり継続的に移植活動やモニタリングを行っていくという内容です。
これまではコロナ禍ということもあり、伊江島からサンゴを送ってもらい、学園内の水槽で育てながら観察を行うといった活動が中心でした。そして成長したサンゴを伊江島へと送っていたのですが、本年度は自分たちの手で移植を行えることに。7月26日(火)から29日(金)の日程で、24名の生徒が伊江島を訪れました。

生徒たちは朝7時過ぎに羽田空港を飛び立ち、バスやフェリーを乗り継いで14時に伊江島に到着。その日のうちに以前植付した場所をシュノーケリングで確認しました。そして翌日には自分たちの手でサンゴの移植を体験。これまではサンゴ部の部室内の水槽で研究に取り組んでいた生徒たちにとって、本来の生育環境である伊江島の海という環境を知れたことは、貴重な経験でした。
今回の研修ではサンゴ移植だけでなく、環境DNAの調査も行いました。環境DNAとは、水や土壌、空気などの環境中に溶け込んでいる生物由来のDNAのこと。このDNAを調べることでその環境の中に存在する、もしくは存在していた生物の種や数を推定することができます。研修の引率を担当した名取慶教諭は「今回、伊江島をフィールド、魚類をターゲットとして、サンゴを移植する海域における環境DNAの調査を行いました。サンゴを移植することで生息する魚類の種類や数がどのように変化していくのか、今後も調査していく予定です」と語ります。こうした調査も、現地を訪れたからこそできる体験です。
また3日目には沖縄本島へ戻り、瀬底島にある琉球大学瀬底研究施設でサンゴについて学ぶなど、知見を広める機会もありました。

伊江島でのサンゴ移植の様子

琉球大学瀬底研究施設での研修の様子

美ら海水族館バックヤード見学の様子

参加した生徒にも話を聞きました。

「今回の研修ではシュノーケリングをしながらサンゴを見たり、移植したりしました。今回移植したサンゴはミドリイシという種類でしたが、伊江島の海にはその他にも多くのサンゴが生息していて、初めて見るサンゴもいました。自分たちの身長と同じくらいのサンゴもいたので、いつか移植したサンゴも同じくらい大きくなってほしいと思いました(7年:磯川昴くん)」。

「今回の研修で、サンゴと魚が密接な関係にあることを理解できました。そして琉球大学では、生息地域による酸性化などを学ぶことができました。関係者の皆様ありがとうございました(8年:大崎泰明くん)」。

「サンゴの植え付け作業以外にも、飼育するサンゴの採取や輸送など、多くの人が移植活動に携わっていることを、今回の研修で知りました。そうした方々に感謝すると同時に、今後は自分たちで行える作業を増やしていきたいと思います(11年:乙部結生くん)」。

「沖縄の海でのダイビングやサンゴ移植など、すべてが初めての体験でした。実際の自然に触れながらの移植は、貴重な良い体験になったと思います。今回の経験を一人ひとりが今後の活動の中で活かしていければと考えています(12年:堀部花音さん)」。

「今回、本当の意味でのサンゴ保全活動の第一歩を踏み出せたと実感しました。自分たちで育てたサンゴを自分たちの手で移植することができ、達成感でいっぱいです。高校生活最後の年に、3年間の活動の集大成となる研修を行えたことを誇りに思います(12年:松本桃華さん)」。

「コロナウイルスによって行動が制限されるようになってからサンゴ研究部に入部したため、実験の時間もあまり確保できず、研修にも行くことができませんでした。今回は自分たちの目で生育環境を確認することができ、保全活動を続けていくモチベーションにつながったと思います。私たちが育てたサンゴが、伊江島の海できれいなサンゴ礁へと育ってくれることを楽しみにしています(12年:安田麻帆エリザベスさん)」。

サンゴ部の顧問であり今回の研修の引率を担当した市川信教諭は「伊江島の空気を吸い、伊江島の人々に触れ、伊江島の海の様子をじっくりと観察したことによって、伊江島への理解をより深めることができました。来年度以降も伊江島のサンゴ飼育、伊江島での研修を継続していく予定です。生徒たちにとって自分たちや先輩が移植したサンゴの成長をモニタリングしていくことも、楽しみの一つになりました」と語ります。その上で「今回の研修で学んだことをもとに、サンゴという環境の変化に弱い生物が海や地球の生態系を支えていること、そしてサンゴが直面している現状・課題に対して、生徒たちがさまざまな場面で発信してくれたらと思っています」と、今回の研修の成果と今後の活動への期待についても言及しました。 伊江島と連携しながらのサンゴ養殖プロジェクトは今後も続いていきます。実際に伊江島の海を訪れた今回の経験が、今度の研究活動にもいい影響を与えてくれることを期待しています。

TOPIC

なお、当日の様子はテレビ朝日報道ステーション内で紹介されました。

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