デンマーク・VIA大学へ留学した学生による帰国報告会を実施。4カ月余りで得たさまざまな経験を、後輩たちに伝えました。
2024年度からスタートした、デンマークのVIA大学と玉川大学教育学部の交換留学制度。2024年8月には1期生となる3名の学生が渡航し、留学生活を体験しました。そして2024年12月、3名全員が無事帰国。1月に帰国報告会が開催され、2期生として2025年度に留学を予定している学生も参加しました。

はじめに教育学部長の佐久間裕之教授が成長して帰ってきた3名を再びキャンパスに迎える喜びと留学の意義についてお話しくださりました。VIA⼤学教育学部での留学は、当然のことながら、正規授業の中で現地⼩学校での実習や施設への参観実習があります。授業はディスカッションを中⼼に進み、チームでのプロジェクトもあります。⼤きな楽しみと同時にやっていけるか不安もある後輩たち。「留学先ではどのような授業や実習があるのか」といったことはもちろん、「事前準備」「デンマークでの生活」「現地の学生や他国の留学生との交流」など、実際に留学した学生だからこそ語れる経験談に、後輩たちは真剣に耳を傾けていました。








教育学部教育学科2年 内山満里菜さん

週に6コマの授業を履修し、現地の寄宿学校や障害のある方々が生活する施設について発表した内山さん。近隣の日本語学科のある大学にも足を運び、日本語を学ぶ学生と交流するなど積極的に行動したそうです。またVIA大学のあるオーフスはデンマーク第二の都市ですが、「娯楽施設は日本と比べると圧倒的に少ないと思います。ただ、現地の人たちは施設を楽しむことよりも、人との交流を楽しんでいるように感じました」と、留学当時を振り返りました。来年度留学を予定している学生たちに、「VIA大学以外の大学の学生にも交流の輪を広げることや、日本の政治などについて説明できるように準備しておくことを提案します。また洋楽を聞いておくと、現地学生とカラオケに行った際もより楽しめると思います」とアドバイスを送りました。
教育学部教育学科2年 髙木榮人さん

髙木さんは留学前の準備として、玉川大学継続学習センターで毎月実施しているTOEIC試験を受検しました。英語力維持のため、帰国後も続けているそうです。「とにかく準備は早めに行うことをお薦めします。また、VIA大学から届いたメールなどは先生方と共有しておくと、万が一の際にも安心だと思います」とアドバイス。現地では4時間を超える授業もあったそうですが、デンマークには『ヒュッゲ』という心地よさを大事にする考え方があり、授業においても途中で休憩を挟むなど、前向きに取り組むことができました。そのため、予習をしっかりとした上で授業に臨むことが重要だと感じたそうです。また学習や生活のすべてにおいてスマートフォンが役立ったとのことで、「どんなアプリがあると便利か、ぜひ聞いてください」と学生たちに伝えていました。
教育学部教育学科3年 俵愛理さん

英語による提出物を作成する際、俵さんはまずは自力で英訳に挑戦し、難しい箇所は翻訳ツールを活用したそうです。「そして最後に、そのツールで日本語に翻訳し直し、元の日本語と一致するかどうかを毎回確認しました」といったコツを紹介。授業の板書についても、まずは日本語でノートに書き、寮に帰ってから英語に訳すことが多かったそうです。また、VIA大学での授業や普段の生活でもお互いの国の政治や社会について質問されることが多く、自国についてしっかりと理解しておくことの重要性を実感したそうです。「3年次に留学したことで、4年間での大学卒業は叶いませんでしたが、それに見合う学びを経験できました。何より、自分自身を強くすることができたと思います」と、留学のメリットを語りました。
三者三様の留学生活を体験してきた学生たち。教務主任の樋口雅夫教授、学科主任の杉山倫也教授、VIA大学に引率してくださった尾関はゆみ講師から貴重なフィードバックと今後の学生生活に学びを生かして更なる成長を期待するメッセージをいただきました。




最後に、今回の交換留学に際し事前に視察を行い、現地の先生方と親交を深めた教育学部 大谷千恵教授は、学生に次のように説明しました。「デンマークを代表する思想家、教育者であるN.F.S.グルントヴィの教育観は、小原國芳の全人教育に通じる部分が多く、現地の先生方からも國芳先生の著書を送ってほしいという要望がありました。VIA大学への留学に向けた事前指導でもグルントヴィの名前が出てくると思うので、これから留学する皆さんは調べておくといいと思います」。1期生が今回の経験をこれからの学習や実社会で活かすこと、また2期生が先輩たちの経験を活かし、より良い留学生活を送ることを願っています。