パシフィコ横浜 国立大ホールで開催 全人教育を具現化する、玉川大学の「クリスマス礼拝」と「音楽祭」
玉川大学の「全人教育」は、人間形成において「真・善・美・聖・健・富」の6つの価値を調和的に創造することをめざしています。そのひとつ「聖」(宗教的価値)を育む機会になっているのが、1年次のクリスマス礼拝です。また、「美」(芸術的価値)を養うために「音楽Ⅰ」「音楽Ⅱ」が必修(玉川教育・FYE科目群)で、学びの集大成として音楽祭でベートーヴェンの「第九」を合唱しています。
2025年12月16日、パシフィコ横浜 国立大ホール(横浜・みなとみらい)で開催された「クリスマス礼拝」と「音楽祭」のご報告です。玉川大学8学部17学科すべての1年生が一堂に会しました。
感謝の気持ちや平和を祈る心を養う、玉川大学の伝統行事
音楽祭の迫力あるリハーサルが終わった15時、国立大ホールの扉が開くと保護者や卒業生の方が次々と客席を埋めていきました。舞台進行は、芸術学部演劇・舞踊学科の学生と全学共通科目(US)「玉川の行事・式典」の履修生です。
15時30分になると厳かな雰囲気のなか、クリスマス礼拝がはじまりました。
黙祷、音楽学科 中村岩城教授のオルガン前奏、同学科 渡辺明子教授による讃美歌独唱が終わると、司式のリベラルアーツ学科 青野和彦教授がクリスマスアドベント(待降節)や救世主などについてお話しされ、「希望の光を求め続けましょう」とおっしゃいました。そして、学生による聖書の朗読、学生約50名で編成された聖歌隊が音楽学科 松川儒教授の指揮のもと讃美歌を奉唱した後、参加者全員で起立して讃美歌「神の御子は今宵しも」を歌いました。





着席後は青野教授の祈祷と小原一仁学長の祝詞です。
小原学長は、「学生の皆さんは愛を存分に注がれてここまで育ってきました」と語りかけ、「ただただ、皆さんのことを思って尽くしてくれた人は必ずいます。その多くはご家族ではないでしょうか。これまで一心に受けてきた愛に感謝しながら、どうか静かに穏やかな気持ちでクリスマスのひとときを過ごしてください」と話されました。


その後、全員で讃美歌「もろびとこぞりて」を奉唱。続く「きよしこのよる」はクリスマス・イブのためにオルガンの伴奏をつけて作曲される予定でした。しかしイブの前に教会のオルガンの音が出なくなり、急遽、ギターの伴奏で作曲されたという1818年当時のエピソードを青野教授が話されました。
そして、クラシックギタリストで卒業生でもある芸術学部 飯野なみ講師のギターで「きよしこのよる」を歌い、祝福の祈りとアーメン・コーラスで礼拝を終えました。
大ホールに響き渡った、800名の壮麗なる大合唱
17時からは音楽祭です。8学部17学科の1年生約1,650名が2つのグループに分かれて、L.v.ベートーヴェン作曲「交響曲第9番ニ短調 作品125〈合唱付〉」の最終章(第4楽章)「歓喜に寄せて」を合唱しました。
「第九」として日本で親しまれている交響曲第9番はベートーヴェン最後の交響曲で、「自由」「平等」「博愛」という人類普遍の理想を掲げた不朽の名作です。
玉川学園では、1936年に「オリンピック蹴球選手送別音楽会」に一部の生徒が出演したことを皮切りに、新交響楽団(現 NHK交響楽団)との「第九」の演奏会が恒例になりました。1938年の演奏会が12月26日・27日に歌舞伎座(東京・築地)で行われ、それが大変好評だったことから、日本で「第九」が12月の恒例行事になったとも言われています。
また、1962年にオーケストラ、合唱ともに玉川の学生の手による初めての「第九」演奏会が開催され、60 年以上の歴史があります。






この日、1年生たちはドイツ語の歌詞を暗記して約28分間の第4楽章に挑みました。
玉川大学では1年次に歌うことを通して、音楽の表現方法、歴史、様式などを複合的に学びます。最初は「なぜ、大学で音楽が必修?」と考えた学生もいたかもしれませんが、地道に重ねた練習の成果が800名の大合唱となって大ホールに響き渡ったとき、個人の力だけでは不可能な圧倒的な感動を味わうことのできる貴重な体験になったのではないでしょうか。






演奏を担ったのは「音楽祭第九オーケストラ」でした。「第九演奏表現(オーケストラ)」(芸術学部音楽学科対象)と「フィールドワーク(第九オーケストラ)」(全学部学科対象)の履修者79名、および卒業生・教職員を合わせた約100名で構成。指揮は教育学科 朝日公哉教授、ソリストは音楽家として活躍する卒業生や芸術学部の教員が務めました。
第1グループ

合唱
文学部(英語教育学科)
農学部(環境農学科/先端食農学科)
工学部(情報通信工学科)
経営学部(国際経営学科)
教育学部(教育学科/乳幼児発達学科)
リベラルアーツ学部(リベラルアーツ学科)
独唱
佐藤 恵利(ソプラノ)
中村 裕美(アルト)
中村 祐哉(テノール)
金子 宏(バリトン)
第2グループ

合唱
文学部(国語教育学科)
農学部(生産農学科)
工学部(ソフトウェアサイエンス学科/マネジメントサイエンス学科/デザインサイエンス学科)
芸術学部(音楽学科/演劇・舞踊学科/アート・デザイン学科/第九演奏表現A/B/C履修者)
観光学部(観光学科)
独唱
渡辺 明子(ソプラノ)
加形 裕子(アルト)
長 裕二(テノール)
馬場 眞二(バリトン)
最後に全員で校歌を合唱して、2025年の音楽祭は終わりました。
「第九」の合唱は、玉川大学のすべての学生が共有する感動体験です。客席で学生たちが歌う「第九」を聴きながら、学生時代を思い出している卒業生の方も多かったと思います。この日歌い上げた1年生たちも、卒業してから音楽祭のことを同窓生と語り、年末に「第九」を耳にするたびに今日のことを思い出すはずです。