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学生ならではの発想で未来のエンターテインメントを提案 工学部「キャリアとコミュニケーション」最終プレゼン報告

2026.08.19

キャリア理解を起点に、実践的なビジネス企画へ挑戦。

工学部マネジメントサイエンス学科3年生を対象とした「キャリアとコミュニケーション」は、社会で求められる課題発見力や企画力、プレゼンテーション力を実践的に養う授業です。学生はグループワークで一つのテーマに取り組み、調査・分析から企画立案、プレゼンテーションまでを主体的に進めます。

この授業の大きな特徴は、「キャリア理解」を出発点としていることです。授業開始時には、学生一人ひとりが自分自身の将来像やキャリアに対するイメージを言語化し、「自分はどのような価値を社会に提供したいのか」を見つめ直します。その自己理解を基盤に、社会課題やビジネス課題と向き合いながら企画を構想し、最終プレゼンテーションでは企画内容だけでなく、自身のキャリアへの理解や学びの深まりも重要な評価対象となっています。つまり実践的なプロジェクトを通じて、将来のキャリアデザインを具体的に描くことを目指す授業です。

授業を担当するのは、力丸萠樹講師と小酒井正和教授です。力丸講師はデザイン事務所を主宰し、フリーランスのコンサルタントとしても活躍、実社会の視点を取り入れた指導を行っています。一方、小酒井教授はデザイン思考を軸に、学問分野の枠を越えた学びを実践する授業や研究活動を展開しています。

今年度は、株式会社清月エンターテインメント代表取締役のALLES(アレス)さんをゲスト講師として迎えました。芸能一家に生まれ、マジシャンとして数多くのステージ経験を重ねた後、現在は舞台、映像、マンガ、イベント、Webメディアなど幅広い分野を横断するクロスメディア型エンターテインメントプロデューサーとして活動しています。

学生たちに提示されたテーマは、ALLESさんから出題された「体験をコンテンツ化し、人と人をつなぎ、社会へ広げる」舞台・劇場を利用した企画。約1カ月半にわたり、4つのグループそれぞれがフィールドワークや企業・団体への取材なども交えながら、独自の視点で企画をブラッシュアップし、実現性まで見据えた事業プランとしてまとめ上げました。

アイデアを社会につなげるプレゼンテーション

7月9日(木)には最終プレゼンテーションを実施。学生たちはそれぞれの企画に込めた狙いや実現プロセス、社会への波及効果についてプレゼンテーションを行いました。 以下、発表順にプレゼン概要を紹介します。

3班:「Cruise Stage Journey」

クルーズ船での移動時間そのものをエンターテインメントへと変える新たな体験型サービス「Cruise Stage Journey」を提案しました。船上で舞台公演を鑑賞できるだけでなく、観客が物語の展開を投票で選択できる参加型の演出や、公演後の出演者との交流会、サイン会などを組み合わせることで、ここでしか味わえない特別な体験を創出します。ターゲットは旅行とエンターテインメントを好む20代。劇団やクルーズ会社、寄港地にもメリットが生まれる事業モデルを描き、まずは東京湾クルーズでの実施を想定した上で、将来的には国内外への展開も視野に入れました。また、フェルミ推定という手法を用いて市場規模や集客人数を算出し、SNSや動画配信を活用したプロモーション戦略まで具体的に提案するなど、企画の実現可能性についても多角的に検討しました。

1班:「推しが劇に出るってよ! ~あいつがプロと共演~」

都内の大学の演劇サークルとプロ劇団がコラボする演劇と劇場を盛り上げる企画「推しが劇に出るってよ! ~あいつがプロと共演~」を提案しました。学生がプロと同じ舞台に立つ機会を創出することで、大学生の演劇への関心を高めるとともに、将来的に劇場へ足を運ぶ新たな演劇ファンの育成につなげることを目指した企画です。学生にとってはプロの現場を身近に体験できる一方、劇団側にとっても新たな観客層の獲得や将来のファン育成、大学施設を稽古場として活用できるなど、双方にメリットのある仕組みを提案しました。ALLESさんが拠点とする三鷹RI劇場での公演を想定し、公演スケジュールや演目、座席区分・料金設定、収支シミュレーションまで具体的に示すことで、事業としての実現可能性を高めた点も特徴となりました。

2班:「推し活から舞台へ」

若い世代が舞台に触れる機会の少なさや、劇場に対して心理的なハードルを感じていることを課題に挙げ、18~30歳の「推し活」世代を新たな観劇層へ取り込むプロモーション企画「推し活から舞台へ」を提案しました。年間を通じて高い消費意欲を持つ推し活層に着目し、「アイドルとのコラボレーション」「SNS向けショートドラマの配信」「ライブと舞台を組み合わせたセットチケット」の3つの施策を展開。SNSからライブ、そして劇場へと自然に誘導する導線を構築することで、若年層の観劇促進を目指しました。さらに、劇場にとっては新規ファンの獲得、アイドルにとっては活動領域の拡大やチケット・グッズ・配信収益の向上など、多方面に相乗効果をもたらすビジネスモデルとして企画をまとめ、学生ならではの視点を生かした提案となりました。

4班:「地域×子ども×地域活性化」

ALLESさんの活動拠点である三鷹RI劇場を中心とした体験型イベントを提案しました。夏休み期間中、子どもたちが「また舞台を観に来たい」と感じられる舞台鑑賞の機会を創出するとともに、劇場の外である商店街や地域全体の魅力を発信し、地域活性化につなげることを目指したイベント企画です。1カ月間にわたって舞台公演を開催するほか、商店街や市の公共施設と連携した親子向けスタンプラリーなどを実施。三鷹市内の小学校や商店街でのチラシ・ポスター掲示による集客に加え、「舞台のヒミツBOOK」や「自由研究セット」といった子ども向け特典も用意しました。演劇鑑賞をきっかけに地域を巡り、親子で三鷹の魅力を再発見できるイベントとして発展させる構想が示されました。

プレゼンテーションは、企画そのものだけではなく、そこに至る思考のプロセスや、社会との接点をどのように捉えたかも重視されます。力丸講師からは、次の3つの評価基準が示されました。

  • 新規性:企画アイデアがありきたりではなく独創性があるか
  • 実現可能性:実際のビジネスとして成立する内容か
  • プレゼンテーション力:資料構成や説明の仕方など、相手に伝える力が備わっているか

当日はALLESさんに加え、株式会社Gakkenの栗城源也さん、デザイナー・イラストレーターの雷門風太さんも審査・講評に参加。企画内容へのアドバイスだけでなく、社会で企画を実現するために必要な視点や考え方についてもコメントが寄せられ、学生たちにとって自身のキャリアを見つめ直す貴重な機会となりました。

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