『全人』2022年1月号 No.867より
2022年1月号 No.867
巻頭は「ELFの可能性」をテーマに、授業や研究の実践を通して英語教育を探究する玉川大学ELFセンターを特集。グローバル化社会のコミュニケーションで求められる英語力とはなにか。ESTEAM教育の一翼を担い、2022年度で開始10年を迎える玉川独自の英語教育、ELFプログラムの今と未来を考えます。昨年度の中止を乗り越え実現した「コスモス祭2021オンライン」。2ページにわたり、各祭典の優秀作品と、関わった学生のコメントを掲載しています。「研究エッセイ」ではIB Programs Divisionの大澤誕也教諭が、HIPHOPの学習と並行して初の単独発表に取り組んだIB体育祭演技発表の軌跡を報告します。
表紙写真=岩崎美里

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15歳から本格的に日本語を学び、現在はNTT東日本 関東病院国際診療科、総合診療科に所属するニコラス・レニック医師。テレビやラジオでも活躍している
私が英語ネイティブのひとりとして言いたいのは、ノンネイティブの英語が完璧であるべきだとは誰も思っていないということです。
私たちも相手の表情や身振り手振りからメッセージを察します。意味が通じれば、発音や文法を間違っていても、決してバカにしたりなんかしません。
昔に比べて第二言語として英語を話す人が増えています。英語はどんどんシンプルになっています。だから「正しい英語」を話そう、Can you〜?よりCould you〜?を使って丁寧にお願いしよう――なんて話を日本で聞くと、驚いてしまいます。私には2つの違いがまったくわかりません。日本人がいちばん日本人の英語に厳しいんじゃないでしょうか。
「学校で勉強したから読める。でも話せない」と言う人もいます。私に言わせれば、読めるだけですごいこと。英語の情報に触れるだけで、世界はかなり広がるわけですから。「完璧主義を捨て楽しみながら英語を使おう」
ニコラス・レニック医師 p4 -
展示資料は約100点。「博物館実習」を履修する学生たちが、当時の教具を用いた運動を動画で再現したほか、近年寄贈を受けたイコン12点も併せて展示された
明治以前、日本における運動は武芸や娯楽が中心でした。教育博物館の宇野慶教授は「体操や体育という概念がなかった時代に、日本が欧米から学んだ歴史的な変遷が見えてくる展示になっています」と説明します。当時用いられた教科書を中心とした資料から、明治初期に健康増進をめざした体操が、中期には「隊列運動」によって規律性の醸成など精神面を重視したものへと変わったことなど、学校体育の諸相が読み取れます。
運動会をめぐる資料も非常に興味深いものです。まだ学校に校庭が備わっていなかった時期は、広い場所に数校が集まって共同で「連合運動会」として実施していたのです。その様子が色鮮やかな錦絵に写し出されています。RESEARCH REPORT
「教育博物館2021年度企画展 近代日本の学校体育と運動会」p20
目次
- [特集]ELFの可能性
interview
完璧主義を捨て楽しみながら英語を使おう ニコラス・レニック医師
Why ELF?
データでみるELFプログラム
Messages from ELF teachers to Students
黒嶋智美「会話という社会的活動を解明し、人生、時代の記録に携わる」
石川友和「多言語環境で見えてくる言語と異文化のかかわり」
岡田トリシャ「フィールドワークを通して声なき人々の姿を明らかにする」
故きを温ねて 96 「眞の和建設は相互の理解からである」…白柳弘幸
- TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 玉川大学コスモス祭 2021
- RESEARCH REPORT
教育博物館企画展 近代日本の学校体育と運動会 - 研究エッセイ
IB Programs Division 体育祭演技発表の軌跡…大澤誕也 - 研究室訪問 8 観光学部 ティーナ・マティカイネン
- 脳科学相談室 7 頭が良い人は脳が大きいのでしょうか?…松田哲也
- 数字でみる玉川 19 デンマーク体操 OTD章授与者
- キャリアナビゲーション’21
日本ケミコン株式会社 山口早稀さん+就活Q&A - 学園日誌…小原芳明
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