『全人』2022年5月号 No.871より
2022年5月号 No.871
2022年４月、玉川学園は93回目の創立記念日を迎えました。新年度号のテーマは「これからの玉川」。巻頭では小原芳明学長・学園長と異分野融合のESTEAM教育を担う若手教職員による座談会「分野を超えた学びを実現するために」を収録しています。つづいてK-12・大学の取り組みのほか、新しい大体育館・屋内プールの建設計画など、創立100周年にむけたキャンパス整備の進捗などを報告。「EDUCATION REPORT」は２本立てで、オンラインの同日開催となったK-12の「玉川学園展・ペガサス祭」と、貝印株式会社と連携した「７年生 技術・家庭科特別授業」を紹介。連載開始から12回目となる「研究室訪問」には、文学部 冨士池優美教授が登場します。
表紙写真＝岩崎美里
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小原芳明学長・学園長との座談会に臨んだのは、芸術学部 栗田絵莉子講師、農学部 友常満利准教授、工学部 平社和也助手。それぞれの研究成果や作品を前に、座談会のあとも歓談が続いた栗田私は学際的な教育に必要なものって何だろうと考えていくうちに、結局、教員の意識が大事なのかなと思うようになりました。それぞれの教員に専門性があるわけですが、教員間でコミュニケーションを積極的にとり、教員自身が学際的な興味や視野を持たなければと感じています。 友常まさに率先垂範。プラスアルファを持つ努力です。 学長創立者が好んで引用した「進みつつある教師のみ人を教うる権利あり」のとおりだね。 栗田IBでは、教科をまたいで教員同士が連携する授業がたくさんありました。授業をその教科の範疇に収めるのではなく、むしろ広げていこうという考え方です。ESTEAM教育を担う上でも、この意識は求められるものだと感じています。 平社多様な学生が集まるプロジェクトを進めていて感じるのは、社会との接点を考えなければならないということです。いずれメーカーズフロアでも、社会に提案するようなものをつくることが目標です。
学長 × 若手教職員 座談会
「分野を超えた学びを実現するために」 p4 -
言語の用例をデータベース化した「コーパス」を用いて、日本語の計量的研究に取り組む冨士池教授。約１億語を蓄積した「現代日本語書き言葉均衡コーパス」の構築にも携わった授業では「『日本語の乱れ』は昔からあるんだよ」と話しています。平安時代の『枕草子』には「最近の人の言葉遣いはおかしい」という趣旨のことが書かれていますし、「ヤバい」は江戸時代の歌舞伎にも用例が見られます。
いろいろな時代の日本語を調べてきた経験から、私は「正しい日本語」とは規範に過ぎなくて、絶対的ではないと考えています。学生が友だちとおいしいものを食べたときなら「ヤバい」が正解。でも年配の人が一緒だったらどうでしょう。日本語の正しさは、場の性質や周囲との関係性の中で決まるのです。研究室訪問 12
文学部国語教育学科 冨士池優美教授 p30
目次
- ［特集］これからの玉川
学長 × 若手教職員 座談会
分野を超えた学びを実現するために
K-12 TOPICS
SSH／学びの技／Tama Tree Project／
延長教育プログラム（ES）
CAMPUS TOPICS
新 大体育館・屋内プール／
聖山労作／芝張り労作
第93回創立記念日 全学教職員の集い 理事長挨拶抄録
新年度にあたって…小原芳明
故きを温ねて 100
「さあさ歌はうよ 玉川音頭 歌にみんなの心がとけて」…白柳弘幸 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 2021年度 玉川学園・玉川大学 卒業生に寄せられた祝辞
- 2021年度 玉川学園・玉川大学 卒業生代表スピーチ
- EDUCATION REPORT
玉川学園展・ペガサス祭 - EDUCATION REPORT
７年生 技術・家庭科特別授業
カミソリから学ぼう
- 数字でみる玉川 21 玉川学園が保有する特許
- 教育探訪 22 PISA型学力の意味…中西 茂
- 研究室訪問 12 文学部 冨士池優美
- キャリアナビゲーション ’22
田島ルーフィング株式会社 床材営業部 大髙裕二さん＋就活Q&A - Book Review 201 『超一流の人の「健康」の極意』…中田知宏
- 教育博物館館蔵資料紹介 353 「伊藤蘭嵎筆蹟」…菅野和郎
- 玉川の仲間たち 「ダイコン」…肥塚信也
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