『全人』2022年10月号 No.875より
2022年10月号 No.875
「歌に始まり歌に終わる」と形容されるほど、玉川学園には生活の中に歌が根づいています。校歌や礼拝での讃美歌をはじめ、歌集『愛吟集』におさまる数々の歌をたがいに響かせ合う毎日の生活こそが、大きな舞台で輝くための基盤となります。音楽祭は長きにわたって大切につづけられてきた学園行事のひとつ。3年ぶりに観客を入れてのホール開催が実現した6〜12年生の音楽祭を特集します。「EDUCATION REPORT」は3年ぶりに実施された3、4、6年生の林間学校の模様を報告。「研究室訪問」には舞台美術家であり、劇空間デザインを研究する芸術学部 二村周作教授が登場。「史料は語る」では、学術研究所 白柳弘幸特別研究員が「玉川っ子」と書かれた色紙を取り上げ、創立者小原國芳がこめたメッセージなどを紹介します。
表紙写真=岩崎美里

-
音楽祭の前日、University Concert Hall 2016 MARBLEで12年生全クラスがそろっての合同練習。当日は午前午後の2部に分かれるため、全員で声を合わせるのはこの日が最初で最後となる。音楽科の教員は4人。皆、声を枯らして児童生徒とともに練習を重ねた
音楽祭は教員と児童生徒がひとつになり、みんなで作品をつくっていくもの。完成度だけではなくプロセスが重要です。教員ももっと勉強しなければいけないし、児童生徒から教わることもあります。練習の過程には、児童生徒と教員しか知らない成長がたくさんありました。音楽祭で得た達成感や成長に、誇りを感じてほしいです。
ステージで歌う醍醐味や高揚感、響きを味わうことも大切ですが、その土台となる「歌による生活の潤い」は、日々の積み重ねから生まれます。廊下を歩きながら、あるいは仲間との帰り道で自然と口ずさむような毎日の中で歌を好きになり、次の学年へと進んでほしい。通常授業の教材なども含めて、生活の一部として楽しく歌える曲を増やしてあげたいです。「達成感や成長に誇りを感じてほしい」
音楽科 髙橋美千子教諭 p10 -
3泊4日の日程で日光を訪れた6年生。3日目に標高2,578mの日光白根山登頂に挑戦した。3年生は1泊2日で山中湖、4年生は2泊3日で八ヶ岳に向かい、それぞれ自然を満喫する活動や仲間との集団生活を体験した
6年生は日光白根山の登頂に挑みました。全員が無事山頂に立ち、その日の夜はキャンプファイヤーも。最終日には、林間学校の思い出や無事の帰宅を待つ家族のためにお土産を買う時間が設けられました。
3、4年生は初の宿泊行事であっただけでなく、1学年を2班に分けたことで教員の人数調整にも考慮を重ねるなど、教員にとっても新たにつくりあげる感覚に近いものでした。3学年とも事前に家庭でPCR検査を実施し、体調を崩した児童は保護者が迎えに行くなど、児童、教員、保護者とも準備や心構えをもって臨んだ林間学校。児童一人ひとりが自律心を育み、自らの成長を実感する機会となりました。「EDUCATION REPORT 3、4、6年生 林間学校」 p20
目次
- [特集]音楽祭(6-12)
12年生「ディエス・イレ」「ラクリモサ」
6年生「君をのせて」/7年生「HEIWAの鐘」
8年生「群青」/9年生「グロリア」
10年生「ハレルヤ・コーラス」/11年生「金色の翼に乗って」
ウィンドオーケストラ「ウエスト・サイド・ストーリー」より
弦楽合奏「スター・ウォーズ」より
わたしたちの音楽祭
音楽祭に向けて
写真でたどる玉川の音楽 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- CAMPUS TOPICS スタインウェイ SPIRIO r 納入
- EDUCATION REPORT 3、4、6年生 林間学校
- 研究室訪問 15 芸術学部 二村周作
- ものづくり図鑑 7 大学美術部 ガラスの椅子
- 史料は語る 3 「玉川っ子」…白柳弘幸
- 脳科学相談室 11 AIに仕事が奪われる? …武藤ゆみ子
- 玉川発見伝 36 玉川のサンゴ研究 Part2…モリナガ・ヨウ
- 教育探訪 24 いまこそグローカルな大学を…中西 茂
- Teaching @ Tamagawa 27
The matching magic of English grammar…Sachiko Nakamura - キャリアナビゲーション ’22
野村證券株式会社 高瀨律子さん+Q&A - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 205 『スコープ少年の不思議な旅』…児玉沙矢華
- 教育博物館館蔵資料紹介 357 「彩陶単耳長頸壷」…菅野和郎
- 玉川の仲間たち 「ニホンカモシカ」…關 義和