『全人』2022年11月号 No.876より
2022年11月号 No.876
有数の「森林資源大国」日本。国産木材は高温多湿の気候に適して、美しく、耐久性に優れた建築資材との再評価を受け、近年は木材自給率が上昇中。脱炭素社会の実現を掲げる国の後押しもあり、国産木材の活用が注目を集めています。玉川学園が2022年度にスタートさせた、玉川産木材Tama Treeを活用する「Tamagawa Mokurin Project」。教育活用の実践や関連施設を特集します。「EDUCATION REPORT」ではK-12ラグビー部・サッカー部が今夏取り組んだ合同合宿を、「ALUMNI REPORT」では卒業生が参加した礼拝堂外壁化粧労作を報告します。
表紙写真=岩崎美里

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宅地の中に緑が茂る、玉川学園の航空写真(22年4月)。里山の環境を保つとともに、倒木などから教育現場を守るため、定期的に間伐などの管理を行っている
教育12信条のひとつに「自然の尊重」を掲げる玉川学園は、創立期より児童生徒学生や教職員が丘を開拓し、植林活動を行ってきました。同時に、四季折々の眺望をもたらすキャンパスの自然環境を維持・管理するために、適正な間伐や更新を進めています。
2022年度、幼稚部園児から大学院生に、身近な「木」との関わりを通じて環境整備に対する理解をよりいっそう深めてもらおうと、「Tamagawa Mokurin Project」が始まりました。
K‐12 瀬底正宣教諭、農学部 友常満利准教授、工学部 平社和也助手、芸術学部 堀場絵吏講師をプロジェクトメンバーに、玉川産木材を活かした教育研究活動や労作などへの発展が期待されています。今後、プロジェクトメンバーの輪を広げていきます。「里山の循環に学ぶ」
木を通じた自然教育を p4 -
スキルを身につけるには実践と失敗を繰り返すこと、と語る小林准教授。授業の課題をきっかけに、ゼロイチの精神でゼミの仲間とボランティアサークルを立ち上げた学生も
私のゼミが掲げるテーマは「ゼロイチ」、すなわち新規事業開発です。ツーリズム産業を中心に、多様な分野でゼロからイチを創出できる、アントレプレナーシップを培うことをめざしています。
ゼミの授業ではまず、私の旅行会社勤務の経験をもとに、新規事業開発がなぜ必要なのか、ツーリズム産業を取り巻く社会状況から説明し、将来のあり方まで学生とともに考察します。
近年、業界には民泊やライドシェアなど、ベンチャー企業の参入が続いています。予測不能な時代と言われる中、そもそも社会全体でも新規事業開発が求められています。同時にそれを構想し、実現する主体性や実行力のある人材の育成が急務です。研究室訪問16 観光学部 小林 等准教授 p24
目次
- [特集]木を活かす
里山の循環に学ぶ
木を活かす施設と設備
[木×ものづくり]何でもつくるK-12美術部ラボ班
Secondary Program Division 瀬底正宣 教諭
[木×地域振興]玉川産木材を活かした地域の拠点づくり
芸術学部 堀場絵吏 講師
[木×教材開発]工学技術で木材の可能性を引き出す
工学部 平社和也 助手
[木×脱炭素]マイナスカーボンを“炭”でめざす
農学部 友常満利 准教授
玉川の植林労作/丘の植生とナラ枯れ - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- CAMPUS TOPICS コスモス祭 2022
- EDUCATION REPORT
K-12ラグビー部・サッカー部 合同合宿 - EDUCATION REPORT
K-12のサンゴ研究 沖縄・伊江島へのサンゴ移植を実現 - ALUMNI REPORT
礼拝堂外壁化粧労作 - 研究室訪問 16 観光学部 小林 等
- 生涯学べ 77 馬見塚昭久 小田原短期大学保育学科准教授
- 史料は語る 4 「全人」…白柳弘幸
- 数字でみる玉川 23 玉川大学の女性教員比率
- キャリアナビゲーション ’22
三木プーリ株式会社 濱崎裕佳里さん+Q&A - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 206 『論理哲学論考』…今野哲也
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- 玉川の仲間たち 「シュレーゲルアオガエル」…有泉高史