『全人』2022年12月号 No.877より

• イデア書院の様子を伝える数少ない写真の１枚。左から３人目が小原國芳、となりが妻の信。創設から玉川学園出版部に合併するまでの７年間で、200冊を超える書籍を刊行

  「イデアideaといふのはギリシャ語で、理想といふことです。」と小原國芳が『イデア』創刊号で示したように、イデア書院創設から玉川学園創立にいたる７年間は、小原と仲間がともに理想を追求した時代でした。
  さらに「本のない學校は眼玉のないほどつまらぬ學校です。」（『イデア』第32号）として名著・名画取次部、児童図書館建設部を設け、図書館建設を提言。一貫して良書を学校や家庭に届ける事業が展開されました。
  左頁の７人*に、髙井愛、萩原純郎、野澤純、淸水淸（のち玉川大学教授）、小原國芳、小川マリ、小島政一郎（『敎へざる教育』著者）、田口茂左衛門、小原ノブ子（長女信）、髙井季子（二女季）、福留達雄、小原哲郎、髙井よし子（三女好）を加えた同人20人による新年挨拶が『イデア』第12号を飾りました。新教育の名の下に集い、全人教育を実践する「理想の学校」の建設を支え、小原の夢を後押しした人々です。

  • 髙井 太、伊藤孝一、髙井 望、高井 泉、松原 寛、斎田 喬、髙井 能

  「理想の教育を夢みて」
  イデアの時代　p6

• 玉川大学の教室や研究施設で授業を受ける12年生。写真はミツバチ科学研究センターで行った授業。ほかにカイコ （農学部）、デジタルファブリケーション（工学部）、AIリテラシーとロボティクス（脳科学研究所・工学部）など、学習分野は多岐にわたる

  「理数探究」は、今年度理系や教育学部への進学を希望する12年生を対象とした授業です。玉川大学の学部や研究所の先生方が講義と実習・実験の指導を行いました。生徒は教科書で学んでいることと絡めながら、大学の研究施設や実験室、設備や機器を使いながら、普段は得られない高度かつ専門的な知識や技能を学べます。
  一般にも大学教員が高等学校で講演する出張授業は多く行われています。高校生には学んできたことが進路や将来にどう関係するのかを知る機会にもなるため、キャリア教育、進路選択に資するものだと感じています。
  こうした講演形式の授業だけでなく、さらに実習・実験も交え、高大連携で探究的な学習ができないか。そう考えて私たちは理数探究の授業での企画を練りました。

  研究エッセイ　高大連携を深める「理数探究」
  森 研堂、矢崎貴紀　p22

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目次

• ［特集］玉川の教育と出版
  出版事業でたどる玉川の教育と出版
  イデアの時代
  イデア書院を物語る刊行物
  特別寄稿
  　小原國芳の「夢の學園」と勤勞學園…教育博物館 白柳弘幸
• TAMAGAWA GAKUEN NEWS
• 玉川学園・玉川大学　第94回体育祭
• EDUCATION REPORT
  　NBAワシントン・ウィザーズ来園
• 玉川の全人教育と土山牧民先生…杉山倫也
• 研究エッセイ　高大連携を深める「理数探究」…森 研堂、矢崎貴紀
• 史料は語る　5　「桂林荘 雑詠 示諸生 四首」…白柳弘幸
• 玉川玉手箱　38　想像以上にゆたかな“かたち” …萩原 哉
• 研究室訪問　17　農学部 上原 歩
• キャリアナビゲーション’22
  　JNTLコンシューマーヘルス株式会社 三角 舞さん＋就活Q&A
• 学園日誌…小原芳明
• Book Review　207　『新装版 マイケル・ジャクソンの思想』…大嶌 徹
• 教育博物館館蔵資料紹介　359　「自由雑記帳」…宇野 慶
• 玉川の仲間たち　「オモト」…山﨑 旬