『全人』2023年7/8月号 No.884より
2023年7/8月号 No.884
玉川学園Primary Division(1〜5年生)とSecondary Program Division(6〜12年生)における国語科の学びを特集します。生涯にわたって生きる国語力をどう育んでいるのか、指導教員にうかがいました。さらに幼稚部、IB Programs Division(6〜12年生)の実践、国語科教員を養成する文学部国語教育学科の取り組みも紹介します。講演抄録は、国内外で活躍する演出家で卒業生の宮本亞門氏をお招きした特別公開講座「人生二度なし!」をお届けします。「玉川の先輩を訪ねて」ではモーションキャプチャの分野で起業した、アキュイティー株式会社 代表取締役CEO兼CTOの佐藤眞平さん(文学部教育学科1997年卒業)が登場。大学時代から会社を立ち上げるまでの足跡をうかがいました。
表紙写真=岩崎美里

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国語の教科書を音読する1年生。物語文や説明文の学習と並行して、1学期にひらがなとカタカナ、2学期に漢字80字を学ぶ
1年生の国語科の目標は「読む」「書く」の基礎を学ぶことです。1学期にひらがなとカタカナを、2学期からは漢字80字を学びます。玉川では伝統的に正しい字形や筆順、書く姿勢、鉛筆の持ち方などをしっかり教えます。授業では字の書き方や、その字につく言葉を学び、語彙を増やします。その後、教科書の物語文や説明文の学習に入るという流れで展開していきます。
5月は教科書を使い、物語文に取り組みました。1年生の教科書は絵本のようで、楽しい想像がたくさんふくらみます。子どもたちの自由な発想を大切にしつつ、叙述にしたがって読み解く力も伸ばします。「今日はこれができた!」という毎日の成長を重ね、表現力や思考力を獲得していきます。国語はすべての教科の基礎。日々の学びが大きな力に
1〜5年国語科 松田美咲教諭 p4 -
高校から玉川で学んだ宮本亞門さん。幼少期のエピソードに始まり、高等部長で演劇専攻教授(当時)の岡田陽(あきら)氏に背中を押され舞台芸術の世界に進んだ半生を、ユーモアを交え振り返った
大学3年生のとき、『ザ・ファンタスティックス』の公演を終え、僕は邁進しきった気持ちになりました。それもあって同じ頃、博品館劇場のこけら落とし公演のオーディションを親に内緒で受けに行きました。すると合格! 両親に正直に言うと、「あと1年で卒業できるのに冗談じゃない」と怒られました。
しかし僕があんまり粘るので、両親は岡田先生のところへ相談に行こうと提案したのです。翌日3人で先生の部屋に行って父が「この子を叱ってください」と言うと、なんと先生は「君は辞めたほうがいい」
親は唖然としていました。さらに先生は言いました。「その代わり、全責任を持って荒波に揉まれろ」
臆病者の僕のことを見抜いていたのですね。芸術学部演劇・舞踊学科主催 特別公開講座 vol.2
人生二度なし! 〜玉川を出て荒波に揉まれて気づいたこと〜
演出家 宮本亞門 p18
目次
- [特集]国語科の学び
1年生 ひらがなの書き方を学び 物語を楽しむ 松田美咲
5年生 5年間積み重ねてきた表現力と考察力 小川浩輝
6年生 相手に伝わる話し方や聞く技術を身につける 藤田愛子
8年生 授業は「受ける」ものにあらず 小泉慎吾
10年生 自分なりの表現を通して言語と文化への理解を深める 小林香奈子
11年生 主観と客観の両方を鍛え言葉の力を育む 稲石陽平
IB Programs Division 多様な題材に向き合う「言語と文学」の学び
幼稚部「学びのプログラム」で体験する言語分野の活動
文学部 国語教育学科 国語教員養成コース - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- EDUCATION REPORT
Primary Division 親と子と先生の 第66回 春の運動会 - 講演抄録
「人生二度なし! ~玉川を出て荒波に揉まれて気づいたこと~」 演出家 宮本亞門 - 史料は語る 11 「『児童文学』題字」…白柳弘幸
- 脳科学相談室 15 脳が喜んだりすることはありますか? …坂上雅道
- 玉川の先輩を訪ねて 95
アキュイティー株式会社 代表取締役CEO兼CTO 佐藤眞平
【文学部教育学科1997年卒業】 - 生涯学べ 80 佐藤健友 探究横丁合同会社 代表
- キャリアナビゲーション’23
株式会社小森コーポレーション 野口絢菜さん+就活Q&A - 学園日誌…小原芳明
- Book Review 214 『ウルトラマン「正義の哲学」』…山﨑 旬
- 教育博物館館蔵資料紹介 366 「幼童家庭教育用絵図」…宇野 慶
- 玉川の仲間たち 「オオカマキリ」…友常満利