『全人』2024年5月号 No.893より
2024年5月号 No.893
創立95周年の節目を迎えた2024年度最初の巻頭特集は「玉川教育のいま」。キャンパスの移り変わりを新旧写真で比較するとともに、玉川の丘で学んだ教員が忘れがたい恩師をはじめ、いまも続く行事や活動などの思い出をふりかえります。「生涯学べ」は通信教育部(現通信教育課程)を卒業後、現在は栃木県那須町立那須中央中学校事務長をつとめる濵岡功さんにインタビュー。「研究室訪問」には国際協力を研究する観光学部 佐々木弘志講師が登場。昨年度秋学期にスタートしたゼミの活動内容をはじめ、学生にも話を聞きました。今年4月に就任した小原一仁新学長による新連載「学生へ」とあわせて、玉川教育のいまをお届けします。
表紙写真=岩崎美里

-
玉川大学卒業式。恩師の三井善止先生のもとで共に学んだゼミの仲間と。後列左端が中里教諭
三井善止先生は、一言ももらさず講義ノートをとることを求め、手を止めると怒られました。余談と油断したら講義とつながっていて、一切気が抜けません。最初の印象は「二度と会わないように」(笑)。でも3年生で先生のゼミに飛び込みました。
先生は行間を読むことを大事にされていました。浅はかな考えをするな、本質をつかめ、と伝えたかったのでしょう。もっともっと勉強しないと生徒を教えられないように思い、大学院へ。院生時代に学園の非常勤講師になったら「そんな余裕あるのか」。就職が決まると「いかん、外へ出ろ」。厳しい先生のもとで学んだおかげで、深掘りする姿勢が備わったかなと思います。わたしの玉川時代
Secondary Division 中里孝男教諭 p9 -
2012年9月から約1年半、国際NGOの一員としてシリア難民向けのザータリ難民キャンプ(ヨルダン)で住民への水や衛生に関する啓蒙活動、物資配布などに携わった佐々木講師。ゼミでは日本の現状と国際関係を俯瞰して考える視点を養えるように指導している
世界を見ればわかるように、ものの見方、考え方は多様です。学問の世界も先行研究を踏まえ、クリティカルに意見を交わします。だから学生には自分の意見を持てと説いているのです。
その意見を持つ前提となるのは情報なので、ゼミでは国内外のニュースや先行研究を紹介し、問いの深め方を指導します。「訪日外国人が増えています」――こんなニュースを見たときも、「いつと比較してか」「諸外国でも同じか」「増加の理由は円安か、日本文化の魅力か」「どんなPRが奏功したのか」などと問いを深め、現象の根拠を探すことが肝要です。この経験は社会人として仕事をする際、周囲に説明し、理解を得ることに必ず役立ちます。研究室訪問 32
観光学部観光学科 講師 佐々木弘志
p28
目次
- [特集]創立95周年 玉川教育のいま
写真でふりかえる学園の今昔 正門、松陰橋
教員インタビュー わたしの玉川時代
幼稚部 大池絢子/Primary Division 峯尾亜希
IB Division大澤誕也/Secondary Division 河上紀彦、中里孝男
農学部 佐藤一臣/教育学部 上田よう子
工学部 政田元太/芸術学部 楠原竜也 - 2024年度 理事長・理事および各部長の顔ぶれ
- 【新連載】学生へ 1 …小原一仁
- 史料は語る 19 「慧眼見真」…白柳弘幸
- 第95回創立記念日 全学教職員の集い 理事長、新学長挨拶抄録
- TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 2023年度 玉川学園・玉川大学卒業式 卒業生スピーチ
- CAMPUS TOPICS 玉川学園展ペガサス祭
- 脳科学研究室 21 最先端の脳科学研究とは? …稲邑哲也
- 研究室訪問 32 観光学部 佐々木弘志
- 生涯学べ 84 濵岡 功 栃木県那須町立那須中央中学校事務長
- キャリアナビゲーション’24
株式会社竹内製作所 開発部 佐藤智規さん + 就活Q&A - Book Review 223 『SLAM DUNK』…木内正光
- 教育博物館館蔵資料紹介 375 『社会の政治』…宇野 慶
- 玉川の仲間たち 「サラール」…南 佳典