『全人』2024年10月号 No.897より
2024年10月号 No.897
10月号の巻頭特集は「挑むTAP」。玉川学園は日本の教育機関として初めてアドベンチャー教育施設を導入しました。2025年度に導入25年を迎えるTAP(Tamagawa Adventure Program)のいまを深堀りします。「研究室訪問」は、経営学部のイドリッソバ アイナッシュ講師が登場。日本で起業する外国人、 “移民起業家”についての研究を紹介します。このほか、学術研究所人文科学研究センターの公開研究会で岡本裕一朗名誉教授が講演した「AIは『月が綺麗ですね』を理解できるか?」の抄録を掲載。今月も玉川教育の最新情報をお届けします。
表紙写真=岩崎美里

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TAPが他者との絆形成に与える影響について、教育学部・脳科学研究所・TAPセンターは2020年度から共同で研究している。唾液に含まれるオキシトシンの濃度を測定し、TAPに挑戦した前後でどのような変化がみられるか実験を進めている
工藤 人は安全な場所が確保されていないと、うまくいかなかったときに自己肯定感が大きく下がってしまいます。だから戻る場所があるという安心感が大切。絆の形成があって初めてチャレンジできるんですね。
髙岸 なるほど。それもオキシトシンがかかわっていると思います。たとえば生まれたばかりの赤ちゃんにとって、絶対に安心できる=オキシトシンが分泌されるのは両親や家族などごく身近な関係性ですよね。成長して仲間と一緒に遊ぶようになると、仲間と会うときもオキシトシンが分泌されるようになる。これも家族という原点があるからこそ、世界を広げられるんです。異分野研究から見たTAPの可能性
TAPセンター長・教育学部 工藤 亘 教授
脳科学研究所 髙岸治人 教授
P10 -
ELFセンターで主に英語の教授法を研究しているミリナー准教授。オーストラリア出身で、2013年に玉川大学に着任した。湘南・稲村ヶ崎の海で毎日、時に子どもたちとサーフィンを楽しんでから大学に出勤しているという
サーフィンをしていると自然を多面的に感じられます。波は月の満ち欠けや風の影響を受け、太陽の光が水自体の見え方を変えます。同じ波は二度と来ません。海に行くたびに私は芸術家のように「ものの見方」を学んでいる気がします。また友人がつくれるのもサーフィンの魅力のひとつ。波にともにチャレンジすることでお互いを身近に感じられるんですよ。
先生の横顔
ELFセンター 准教授 ブレット・ミリナー
P27
目次
- [特集]挑むTAP
アドベンチャーのその先へ
TAPを体験!
アクティビティ/ローチャレンジコース
ハイチャレンジコース/チームチャレンジコース
対談 TAPセンター 工藤 亘 × 脳科学研究所 髙岸治人
「異分野研究から見たTAPの可能性」
TAPで学ぶ学生たち
企業が活用するTAP - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- EDUCATION REPORT 1、2、5年生 サマープログラム・6-8年生 サマースクール
- 学術研究所人文科学研究センター 2024年度公開研究会
「AIは『月が綺麗ですね』を理解できるか?」 岡本裕一朗 - EDUCATION REPORT キャリアにつながる経営学部のデータサイエンス
- 史料は語る 23 「この秋は 雨か風かは知らねども 今日のつとめに 田草とるなり」… 白柳弘幸
- 脳科学相談室 24 脳も病気になったりしますか? … 松田哲也
- 玉川発見伝 42 シュナイダー像 モリナガ・ヨウ
- 先生の横顔 6 ELFセンター ブレット・ミリナー
- 研究室訪問 36 経営学部 イドリッソバ アイナッシュ
- キャリアナビゲーション’24
立川ブラインド工業株式会社 玉井涼太さん + 就活Q&A - 学園日誌?玉川の丘から? 小原芳明
- Book Review 227 『河合隼雄全対話 7』 … 武藤ゆみ子
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- 玉川の仲間たち 「ツチアケビ」…上原 歩