『全人』2025年6月号 No.905より
2025年6月号 No.905
6月号の巻頭特集は「自然は学校」。玉川学園を創立した小原國芳は「学園には、もっともっと多種多様の樹々を移し植えて、ホントに、二十万坪の大植物園に仕上げます」(『全人教育』1967年7月号)と述べました。61万㎡もの広大なキャンパスを教材とした教育活動の様子と、玉川の森に暮らす仲間たちを紹介します。「玉川の先輩を訪ねて」は、科学イラストレーターとして活動する箕輪義隆さんに、20有余年にわたる画業の足跡を振り返っていただきました。「研究室訪問」では、ヒトの意思決定について研究している工学部の髙橋宗良准教授を取材しました。このほか「CAMPUS TOPICS」では、玉川大学脳科学研究所主催の講演会「これからのサイエンスコミュニケーションのはなし」について報告します。今月も玉川教育の最新情報をお届けします。
表紙写真=岩崎美里

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佐藤邦昭元教諭は玉川大学農学部を卒業後、小学部の理科教諭に。2008年に退職したあとも全国で自然観察、草花あそびを指導している。写真のタラヨウの葉は爪で文字が書け、切手を貼れば郵送できる
大切なのは良い道具を用いるのではなく、自分の目でよく見ることだと教わりました。身の回りの自然をていねいに見る。五感を使って主体的に観察する。丘めぐりの目的とは、自然の不思議と面白さに気がつける目を養うことにあると私は考えています。
各地の学校に呼ばれますが、玉川ほど多種多様な草木や花にめぐまれた学校は本当にまれなのです。だからこそ、大人も自然に学び、子どもたちに気づきを与えられる存在になってほしい。元玉川学園教諭 佐藤邦昭
不思議と面白さに気がつける「目」を
P17 -
在学中は生物自然研究部の鳥班に所属。絵の描き方は独学で身につけた。丹念に観察を続けてきた長年の経験をもとに、それぞれの鳥の「らしさ」の表現を追求している
初対面で「鳥の絵を描いて生活しています」と言うと、よく驚かれます。世の中にそんな人間がいるとは、にわかには信じられないのでしょうね(笑)。高校時代、先生に「将来は鳥のイラストレーターになりたいんです」と相談したときのことを思い出します。先生は大いに困惑した表情でした。
単にイラストレーターというと、何を描いているのかわかりづらいので、私の場合、「科学」とつけています。その中で描く対象のほとんどが鳥です。
昆虫をはじめ、幼少期から生き物が大好きで、鳥の観察は中学生のときに始めました。身近な場所にもさまざまな鳥が生息していて、ちょっと注意して探せば観察できる。それが鳥の魅力です。玉川の先輩を訪ねて 101
科学イラストレーター 箕輪義隆
P18
目次
- [特集]自然は学校
玉川の丘 探検マップ
玉川の仲間たち
動物/草・木/昆虫
鳥/きのこ/農作物
史料は語る 30 「郷里の自然に感謝する」…白柳弘幸
自然の教室にようこそ
生物自然研究部/園芸班/IB Division「CAS」
Primary Division丘めぐり ほか - 玉川の先輩を訪ねて 101 科学イラストレーター 箕輪義隆【農学部農学科1991年卒業】
- 令和7年度 玉川大学・玉川学園入学式訓辞
- TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 玉川大学名誉教授称号記授与報告
- CAMPUS TOPICS 玉川大学脳科学研究所 講演会
これからのサイエンスコミュニケーションのはなし - 研究室訪問 44 工学部 髙橋宗良
- キャリアナビゲーション’25
フォーシーズンズホテル東京大手町 吉本航貴さん + 就活Q&A - Book Review 235 『ミズノ先生の仏像のみかた』 … 萩原 哉
- 教育博物館館蔵資料紹介 387 『會話秘訣 英語の電話と會話』 … 宇野 慶
- 玉川の仲間たち 「ミスジマイマイ」 … 友常満利