玉川大学舞踊合唱団がアメリカ、カナダで公演
1978(昭和53)年3月15日から4月17日まで、玉川大学舞踊合唱団がアメリカ、カナダにて公演。各地の大学等で16回の公演とワークショップを行う。1961(昭和36)年のメキシコ・アメリカ公演、1968(昭和43)年のヨーロッパ公演、1972(昭和47)年のギリシャ公演に続いて4度目の海外公演となった。
1.アメリカ・カナダで公演
3月2日、日本都市センターホールにて、玉川大学舞踊合唱団のアメリカ・カナダ公演の披露公演が開催された。


津軽荒馬おどり


舞踊合唱団を激励する小原哲郎学長

3月15日の夜、先発の2名と途中合流の1名を除く71名の玉川大学舞踊合唱団一行がアメリカ・カナダ公演旅行に出発。同日午後にロサンゼルスに到着。バスとトラックで最初の公演地であるゴールデン・ウエスト大学に向かう。到着するとゴールデン・ウエスト大学とカリフォルニア州立ロングビーチ大学の学生たちが迎えてくれた。玉川大学舞踊合唱団の学生たちは、現地の家庭にホームステイ。16日は「日本の音楽――器楽と声楽について」、17日は「日本の古典舞踊における動きの基本について」というタイトルでワークショップを行った。18日、19日は公演。満員での公演は大成功に終わる。ハリウッドにあるKCOPテレビにも出演した。

次の訪問地はカナダのカルガリー。カルガリー大学において、玉川大学舞踊合唱団の学生たちは洋舞のワークショップを受講したり、校内を見学したり、エスキモーの伝説と芸術を描いた映画を鑑賞したりした。このような行事の合間に、学生たちはCFACテレビ、CBCテレビ、CBCラジオなどに出演。ワークショップも2回行った。そして、公演。フィナーレの阿波おどりでは、観客も一緒になって踊った。

26日、3番目の訪問地バンクーバーにむかって小旅行。翌日の朝、バンクーバーに到着。ここでは全員がホテルに宿泊。毎朝、市バスでブリティッシュ・コロンビア大学に通った。公演とデモンストレーションを行い、第1日目の夜には、感激したブリティッシュ・コロンビア大学の学長が舞台に上がってスピーチをするといったハプニングがあった。
31日、バンクーバーからフェリーに乗ってナナイモへ。学生は再びホームステイ。マラスピナ大学(現在のバンクーバー・アイランド大学)では、市長と学長が迎えてくれた。マラスピナ大学から車で15分くらいのところには、本学のカナダ法人玉川学園がある。公演はマラスピナ大学の劇場で開催された。最終日の4月3日の午後には、町のレストランにおいて合唱メンバーがデモンストレーションを行った。毎日のように、玉川大学舞踊合唱団のことが、大きな写真とともに地元の新聞に掲載された。

次の訪問地シアトルでは、全員がホテル泊。ここでの公演場所は1,200名も入るワシントン大学の大劇場。公演の合間にクリエイティブ・ドラマティクスのG・B・シックス博士の授業を、宿泊しているホテルの一室で受講。

9日、最終訪問地であるホノルルに到着。ここでも全員がホテル泊。到着後、ハワイ大学で歓迎レセプションに出席。翌日の10日はイリカイホテルでの在ハワイ日系年長者の集いで慰問公演。KIKUテレビの録画撮りも行われた。11日はポリネシア文化センターの見学と、ブリグハム・ヤング大学との交歓会。12日はクアキニ老人ホームを慰問。13日はハワイ大学アンドリュース野外劇場での公演の予定であったが、雨天のため翌日に順延。14日は雨も止み、野外劇場での公演が行われた。15日の夕方はアラモアラ海岸にてサヨナラパーティー。そして、17日午後3時に34日ぶりに羽田に帰着した。

このように今回の公演旅行では、公演のほか、アメリカ、カナダの大学生たちとの交歓、日本の舞踊や音楽についての公開授業の実施などが行われた。今回の公演のキャッチフレーズは、Sharing is Loving(シェアリング・イズ・ラヴィング/分かち合うことは愛すること)。この言葉は公演紹介のポスターにも印刷された。
2.プログラム
【日本の唄と踊り】
演目は19。合唱、正調日本民謡、能楽、古典日本舞踊、民族芸能、創作舞踊など多彩な内容。
第1部 | 休憩 | 第2部 | |
---|---|---|---|
仕舞「嵐山」 祝節 さくら 菊の盃 面売り 津軽じょんがら節 鳥取傘おどり 日本民謡(3曲) 津軽荒馬おどり |
合唱(3曲) 江戸そして東京 わらべ唄 日本の太鼓 花吹雪 越後獅子 能「巴」 陀羅尼 獅子と胡蝶 阿波おどり |
||
◆上演時間2時間30分 |
3.玉川大学舞踊合唱団 74名
団長 | 岡田陽(ハワイにて一行に合流) |
副団長 | 原忠男(先発)、今尾哲也(ワークショップ) |
演出 | 方勝 |
振付 | 岡田純子、小山正 |
舞台美術 | 佐藤和男 |
音響 | 園田芳伸 |
舞踊指導 | 鈴木繁夫、玉川まや子、田村真理子 |
合唱指導 | 高森義文、新井邦夫 |
渉外 | 法月敏彦(先発) |
会計 | 小部官吾 |
通訳 | 池田智 |
写真記録 | 中山昭彦 |
学生 | 文学部 芸術学科45名、教育学科6名、外国語学科1名 農学部 農芸化学科1名 工学部 電子工学科1名 女子短期大学1名 |
生徒 | 高等部2名 |
関連リンク
参考文献
- 小原哲郎監修『全人教育』 第349号 玉川大学出版部 1978年
- 小原哲郎監修『全人教育』 第350号 玉川大学出版部 1978年