『全人』2014年4月号 No.782より
2014年4月号 No.782
4月号は1950年にスタートした「玉川のミツバチ研究」を特集しました。巻頭には「自然界に学ぶ」と題し、ベストセラー作家の百田尚樹氏と、ハチ研究の第一人者・本学農学部の小野正人教授との対談を掲載。オオスズメバチを主人公にした百田氏の小説『風の中のマリア』の執筆秘話から、オオスズメバチの驚くべき生態や生物多様性まで、2人の熱いトークが繰り広げられます。つづいて、アジアの養蜂をリードし続けてきた玉川のミツバチ研究の歩みを振り返ります。ミツバチを介した子どもたちへの環境教育やハチミツづくりなど、玉川ならではのユニークな取り組みも紹介。
芸術学部の「THE MEDIA GARDEN ’13」はじめ、ニュース記事では年に1度の学園展などのイベントを報告。連載でもさまざまな学びの様子を取り上げました。

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人気テレビ番組の放送作家からベストセラー作家となった百田尚樹さん(左)と玉川大学農学部長の小野正人教授
百田 小野先生からうかがった話で印象に残っているのは、オオスズメバチが生息している野山というのは、ものすごく自然度の高いところだと。自然度が高くないと、エサとなるいろいろな昆虫を捕らえられないので巣を維持できないんですよね。
小野 ハチなんか不要と思う人もいるかもしれないけれど、ハチがいることで人間も住みやすい環境になることを忘れないでほしい。いろいろな生物のつながりの中に自分もいるという生物多様性の意味、「自然の尊重」の深さを感じてほしいですね。「自然界に学ぶ」 百田尚樹×小野正人 p4
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ミツバチ科学研究センター主任の中村純教授。アジア各地での養蜂指導はじめ、地域の小学校での体験学習指導も担う
玉川大学は、ハチが飼える設備と教育機関を併せ持ち、それらを活かした環境教育が可能です。でも、設備の有無にまかせていては、社会に普及できません。そこで、金井小学校の4年生対象に環境教育の授業「金井小学校ではちみつをとろう」を、2012年より開講しています。通学範囲半径2キロは、ミツバチの行動範囲とほぼ一致します。屋上に巣箱を1カ月置いておくと、地元産の蜜がとれる。子どもたちはどこに蜜源となる花があるか、「花マップ」をつくるため意識して町を歩くことで美化活動へも目が向きます。
「生物の多様性を伝えたい」 中村純 p14
目次
- [特集]玉川のミツバチ研究
自然界に学ぶ──『風の中のマリア』をめぐって
…対談 百田尚樹×小野正人
故きを温ねて 11 「観察と記録を繰り返す玉川のミツバチ研究」…白柳弘幸
SINCE 1950 玉川のミツバチ研究
クローズアップ研究1 ニホンミツバチの「ふとん蒸し殺法」
クローズアップ研究2 記憶と学習能力の鍵は「社会経験」にあり
ひろがる環境教育 見た! 触れた! 感じた!
研究から生産へ 愛されるハチミツづくり - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 行事報告 THE MEDIA GARDEN '13…丸山松彦
- 学びの時間 32
文学部比較文化学科 丹治めぐみ研究室 - 生涯学べ 31
緒方芳治 板橋区立清水図書館勤務 - K-12学びの丘 9
中学年の学園展実行委員会 - Our Job, Our Pride 21
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- キャリアナビゲーション '13
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