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科学するTAMAGAWA 世界初!植物ミトコンドリアのゲノム編集に成功した農学部・肥塚信也教授に聞く(後編)

2019.10.18

玉川大学農学部で学べること、学んでほしいこと

世界で初めて植物ミトコンドリアのゲノム編集に成功した玉川大学農学部生産農学科の肥塚信也教授。国立大学農学部・大学院で学び、民間の研究機関や米国留学経験などを経て、2006年より玉川大学農学部で学生の指導と研究活動を行っています。
玉川大学に着任してまず印象的だったのが、「キャンパス内に農場という農学の現場が間近にあること」だったそうです。農学にとって現場で体験する学びはかけがえのないものだからです。

しかし、現代の農学の現場は屋外の農場だけにとどまりません。玉川大学では最先端の植物工場を備えた「Future Sci Tech Lab」、閉鎖環境でアワビや魚類を養殖する「アクア・アグリステーション」など、キャンパス内に農学の未来を志向する新しい現場が設けられています。
植物生理学・分子育種学を専門とする肥塚教授にとっての研究対象は細胞の中にある核やミトコンドリア。研究室内に人工的な生育環境を作り、ダイコンやナタネなどを使ったゲノム研究を進めています。

ゲノム編集植物は多くの場合、無菌条件下で組織培養を行い作出する。
その後、その植物の遺伝子の機能を解析し研究する。

また、農学部が「一人ひとりの顔がよく見える”程よい規模”」であることも、農学教育にとって最適な環境であると肥塚教授は感じているそうです。

「大学に入学しても最初は何をどう学んでいくべきなのかわからなくて当然。だからこそ自分の興味があることに一緒になって取り組むことができる教員、先輩、仲間を見つけることが大切です。玉川大学農学部は私たち教員にとっても学生一人ひとりの顔がよく見える環境にあります。4年生が所属する領域内で複数のゼミが研究スペースを共有しているオープンラボなので、分野を超えた学生の交流が活発にできることも大きなメリットですね。他分野の研究からヒントを得られることもあるかもしれません」。
肥塚教授のゲノム研究以外にも、ミツバチの研究、植物工場での野菜栽培や、環境保全、スマート農業*に至るまで、多彩な研究分野を持つ玉川大学農学部。肥塚教授の研究室で学んでいる学生に農学部での研究生活について話を聞きました。

  • ロボット技術やICTを活用して、超省力、高品質生産を実現する新たな農業のこと(農林水産省HPより)
研究は多方面よりじっくり検討しながら、地道に取り組むことが大切

農学部生物資源学科4年 阿部貴史さん

高校で学んだ「生物」の授業がとても面白かったので、大学ではより深く学べる農学部を選びました。2年生の時、肥塚先生が担当された「生化学」の授業で植物細胞のミトコンドリアや葉緑体の働きを知り、遺伝子研究に取り組みたいと思うようになりました。4年生からは肥塚先生の研究室に所属し、特定の遺伝子配列を増幅させる手法を使って植物のミトコンドリアの働きをささえる遺伝子の研究に日々取り組んでいます。農学部は1~3年生までは、さまざまな分野に興味がある学生が一緒に学ぶので、4年生となった今は動物分野の研究を専門に行っている友人もたくさんいます。異分野を研究している友人たちとの交流によって視野が広がりますし、何より楽しく学生生活を過ごすことができています。

性格的に私はどんどん先に進めたいせっかちなタイプなのですが、「科学研究は多角的にじっくり物事を検討しながら、着実に取り組むことが求められる」と先生が話していて、4年生になってようやくそうした研究の進め方が少し身についてきたところです。

卒業後は自衛隊への就職が決まっています。福島県出身の私は東日本大震災の被災者でもあり、当時、自衛隊の方々の支援に助けられたので今度は自分が助ける役割を果たしたいと思っています。また将来的には大学院で研究を再開する道も考えています。そのためにも卒業するまで、現在行っている研究に全力で取り組んでいきたいと思います。

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